司法書士雑記7

◆2008/05/07 被相続人の除票(じょひょう)を取得する理由(その1)

 相続登記を申請するとき、登記所に被相続人の除票を添付して提出します。

 相続税の申告では、こういうことは聞いたことがないですが、
 登記所には提出することになっています。

 相続税の申告では、そのほか登記所に提出する被相続人の戸籍関係の書類について、
 あまり厳しくないようです。

 そこで、この除票(じょひょう)ですが、人がほかの市や町、
 あるいは区に住所を移すと、当然、
 新たな住所地では、新しい住民票が作られます。

 そうすると、転居前の住所地の住民票はどうなるか、ということです。
 この住民票は、除票、すなわち、住民票から除かれる、ということになります。
 この除かれた住民票、除票もまた、請求すれば取得できます。

 では、なぜ、相続登記を申請するとき、この除票が必要なのでしょうか。
 登記簿(登記記録)に所有者と記載されている事項、
 所有者として何が記載されているか、ここがポイントです。

 登記簿には、所有者の次に記載されている事項は、住所と氏名です。
 このことは、登記簿に記載されている所有者の特定は、
 住所と氏名でする、ということです。

 所有権の登記名義人が亡くなった場合、
 まず、亡くなったことを証明するのが被相続人の除籍謄本
 (戸籍謄本の場合もあります。)です。

 そして、除籍謄本に書かれた被相続人が、
 登記簿に書かれた登記名義人であることを証明するのが、
 除票ということになります。

 人が亡くなってその届けをすると除票となり、
 その除票には「いついつ死亡」と記載されます。

 被相続人の除籍謄本には、
 本籍地と被相続人の氏名が書かれています。
 住所は書かれていません。

 除籍謄本だけでは、除籍謄本に書かれている人が、
 登記名義人であるとは限りません。
 通常はそうなのでしょうが。
 同性同名の場合もあるので、
 登記名義人として書かれている住所と氏名を一致させてはじめて、
 除籍謄本に書かれている人ということになります。

 これを一致させるのが除票ということになります。
 除票には、死亡した旨と死亡の年月日が記載され、
 死亡した当時の住所と氏名が書かれています。

 さらに、その人の本籍地と戸籍筆頭者も書かれています。
 これによって、登記名義人が、間違いなく、
 除籍謄本に書かれている亡くなった人、被相続人であることが、確定します。

 除票を取得する場合、被相続人の本籍地と戸籍筆頭者の記載も必要になります。

 ですが、この除票を取得できるのは、除票扱いになってから5年間です。
 5年を過ぎると取得できない場合があります。
 除票の保存期間が5年間だからです。

 除票と同じように、除籍謄本に書かれた被相続人が、
 登記簿に書かれた登記名義人であることを証明するものに、
 「除かれた戸籍の附票」というものがあります。
 これでも証明できます。
 ただ、これも保存期間は5年間です。