相続登記情報館トップ相続事例集売買による移転登記の抹消と元の所有者の死亡の場合

相続登記は必要?(売買による移転登記の抹消と元の所有者の死亡の場合

親族、親戚間で、なんらかの理由によって、例えば、売買で所有権を移転したとしましょう。
その後、ある事情によって、本来、売買という実体が無いにもかかわらず所有権を移転登記したので、これを元の所有者に戻さなければならないことがあります。
そして、元の所有者に所有権を戻すときに、元の所有者が亡くなっているときはどうしたらよいでしょうか。

上記の具体例として、
よくこういうことをしたと思いますが、当事者は、この時、良かれと思ってしたことで、後になってまさかそんなことになるとは思ってもみなかったようです。

Aさん(男性)とBさん(当然女性)が結婚するとき、Bさんのお祖母さん所有のマンションに住むことになりました。
Bさんの親族が考えて、お祖母さん所有のマンションをAさんの所有にするため、売買を原因にしてAさん名義に所有権を移転登記しました。
Aさんはお祖母さんに売買代金としてではなく、家賃として毎月一定額を支払っていました。
数年が経ち、AさんとBさんが離婚して、Aさんがそのマンションを出ることになりました。
Aさんは、そのマンションが自分名義に登記されていても、実際は自分所有だという認識がないので、マンションの所有権を元に戻すことに同意しています。

この所有権を元の所有者に戻す方法として、贈与を原因にして所有権を戻す(移転登記)と、元の所有者に贈与税がかかります。
なので、錯誤で、Aさん名義の所有権を抹消登記することによって、元の所有者であるお祖母さんに所有権を戻すことができます。

このとき、お祖母さんはすでに亡くなっているので、どうしたらよいでしょうか。

所有権を抹消するときの申請人は、権利者が元の所有者(お祖母さん)で義務者がAさんです。

元の所有者のお祖母さんが亡くなっているので、お祖母さんの相続人が権利者となります。
相続人が権利者となるので、除籍謄本や戸籍謄本など相続を証明する書類を揃える必要があります。
この方法で、所有権を抹消登記することができます。

ただ、Aさんの所有権が登記された後、抵当権など担保権が登記されている場合、所有権を抹消登記することについての担保権者の承諾がないと、所有権を抹消登記することができません。

この場合、真正な登記名義の回復を原因にして、Aさんからお祖母さん(死者名義)に所有権を移転登記します。

所有権を抹消登記する方法と移転登記する方法で異なる点は、登記を申請する際、登記所に納付する登録免許税です。
所有権を抹消登記する場合は、不動産1個について1000円、所有権を移転登記(真正な登記名義の回復)する場合は、固定資産税の評価価格の2%です。
1000万円の不動産であれば20万円かかります。