相続登記情報館トップ相続事例集>相続相談:数年前に相続税申告済みの相続登記の方法は?

相続相談:数年前に相続税申告済みの相続登記の方法は?

質問1
数年前に相続税について申告済みです。
遺産分割によって自分が相続する土地2筆については相続登記をしていません。
相続税の申告書には、自分の相続によって取得する土地2筆が詳しく記載されていません。他の兄弟の持分が内訳として記載されています。
探したところ、遺産分割協議書が見当たりません。
他の相続不動産Aについては、相続登記済みです。
土地2筆については、相続登記していません。

回答
1.基本的に、相続税の申告が遺産分割による場合には、税務署に、相続税の申告書の添付書類として遺産分割協議書を必ず提出します。(顧問税理士と東京国税局相談室に確認しました。)
  遺産分割協議書が存在しないということですが、相続税の申告当時、遺産分割協議書が存在していたのではないかと思われます。
  相続税の申告書に遺産分割協議書が付いていない理由は、遺産分割協議書と印鑑証明書が、申告書の添付書類であり、これらを申告書に綴じないからだと思われます。

2.自分の相続によって取得する土地2筆が詳しく記載されていない、兄弟の持分が内訳として記載されているようですので、このことは、土地2筆だけが未分割の状態で相続税の申告をしたのではないかと思われます。

3.土地2筆をご自分名義に相続登記するには、遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書が必ず必要です。
  そこで、
 ? まず、相続税の申告をした当時の遺産分割協議書を探してください。
 ? その遺産分割協議書(原本)が見つかりましたら、土地Aについて、どのような内容の分割なのかを確認してください。
 ? その遺産分割協議書(原本)に実印が押印され、土地2筆についてご自分が相続するという内容のものであって、さらに、相続人(すでに亡くなった兄弟を含めて)全員の印鑑証明書の原本(当時のもので問題ありません。)があれば、使用することができます。
 ? 当時の遺産分割協議書があったとしても、
   土地Aについてご自分が相続するという内容が不明の場合、
   または、遺産分割協議書の原本がなく写しの場合は、
   遺産分割協議書を作成し直す必要があります。
 ? 遺産分割協議書を作成する場合、
   他の兄弟を含めて、遺産分割協議書に署名、実印の押印、印鑑証明書が必要となります。
   他の兄弟のうち、1名が亡くなっていますので、その子全員も署名、実印の押印、印鑑証明書が必要です。
   亡くなった兄弟に配偶者がいる場合で、
   祖父の後に、兄弟が亡くなった場合は、配偶者も同様に相続人となり、署名、実印の押印、印鑑証明書が必要です。
   祖父の生前に、兄弟が亡くなった場合は、配偶者は相続人となりません。

質問2
土地2筆のうち1筆Bの上の建物は現在、存在していませんが、滅失登記をしていません。Bの土地は、売却をする予定です。
元の建物名義は被相続人とその兄弟ですが、すでに死亡しており、その子は現在、行方不明です。
土地2筆のうち1筆Cの上に建物が存在しており、現在、賃貸中で、この名義は被相続人とその兄弟ですがすでに死亡し子が1名います。Cの土地の売却予定はありませんが、可能であれば売却も考えています。

回答
Bの土地、建物について
売却予定地には現在、建物は存在していないものの、登記されたままの状態のようです。
土地の売却に当たり、登記された建物は滅失登記をする必要があります。
この滅失登記の申請人は、被相続人の相続人のうちのお一人から申請できますので、相続登記せずに滅失登記ができます。
ただし、相続証明書が必要となります。(土地の相続登記の後、土地の相続登記に使用した各種相続証明書を使用して建物の滅失登記をします。)

Cの土地、建物について
この土地も売却される場合、
?建物を賃貸したまま建物は売却せずに、土地のみを売却する方法
 → この方法では、購入したい買主が見つかる可能性は非常に低いと思われます。
?建物を他人に賃貸したまま、土地建物の売買とする方法
 → 賃貸物件を購入する買主が見つかる可能性は低いように思われます。
   買主が現れたとしても、相場より低い売買価格になると思われます。
?賃貸契約を解除し、建物を取り壊して滅失登記の後、土地のみの売買とする方法
 → 更地で購入する買主が見つかる可能性は高いと思われます。
   ただし、現在、賃貸中の契約の解除、賃借人の退出を完全にしなければなりません。

?の土地建物の売買の方法では、土地とともに現在の建物の相続登記もしなければなりません。
この場合、建物の現在の名義が被相続人とその妹さんですので、その両方の相続登記をする必要があります。
相続登記により名義を変更する理由は、土地建物の売買契約の当事者(売主)が現存する人だけだからです。
先にお見積りしました登記費用は、被相続人お一人についての費用(司法書士報酬を含めて)です。
建物のもう一人の妹さんについては、被相続人が異なりますので、別途、司法書士報酬(約55,000円)と実費がかかります。

?建物を取り壊して滅失登記の後、土地のみの売買とする方法では、
建物について相続登記をする必要がありませんので、相続登記をしないで滅失登記ができますので、別途、司法書士報酬(約55,000円)と実費がかかりません。