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相続登記用語集(ア行)遺言,遺言執行者,遺産,遺産分割,意思能力,遺贈

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遺 言(いごん)

遺言は、普通、「ゆいごん」と言っていますが、法律用語としては「いごん」と言っています。
民法が定める遺言の方式にしたがって遺言した場合だけ、遺言の法律上の効力が認められます。

  • 民法が定める主な遺言の方式。その他に特別方式があります。
     普通方式
      ?自筆証書遺言(遺言者が自分で全部書きます。)
      ?公正証書遺言(公証人役場で作ります。)
      ?秘密証書遺言
       (公証人役場で行いますが、遺言内容は、本人以外は知ることができません。)
  • 遺言の効力発生時期
     遺言は、遺言者の死亡によって効力を生じます。
  • 遺言者の死亡前は、いつでも遺言を撤回できます。
     撤回する場合も、遺言の方式にしたがって行います。
     遺言は書き直すことができます。
  • 遺言者が遺言で決めることができる主な内容
     認知(自分の子供であると認めること)、遺贈、相続分の指定、
     遺産分割の方法、遺言執行者の指定、遺産分割の禁止、
     相続人の廃除(法律上の相続人を遺言者に対する虐待などの理由で
     相続させないこと)など
  • 上記遺言書は、不動産の相続登記や各種相続手続きで使用します。
  • 公正証書遺言以外は、封印された遺言書は、家庭裁判所での検認、開封が必要です。

遺言執行者(いごんしっこうしゃ)

遺言執行者は、遺言内容を実行する人。
遺言者が遺言で指定する場合や、
利害関係人の申立てによって家庭裁判所で選任される場合があります。

遺言執行者がいると、相続人であっても遺言の執行を妨害できません。

不動産の相続登記では遺言執行者が申請人になります。

遺言執行者が選任されていなければ、遺言で相続させる、
と書かれた相続人は、自分が申請人となって相続登記を申請できます。

ですが、登記申請の原因が「遺贈」の場合は、自分が遺贈を受ける人は、
法定相続人に、あるいは、遺言執行者に協力してもらわなければ登記申請できません。

この場合、法定相続人に遺贈による登記申請に協力してもらうことは、
なかなかむずかしい場合もあるので、
自分が利害関係人であるときは、みずから家庭裁判所に遺言執行者の選任を申立てます。
遺言執行者を誰にするかは、、自分で選んで申し立てできます。

遺 産(いさん)

遺産は、被相続人が残した財産。

被相続人の積極財産だけでなく、消極財産、すなわち、被相続人の債務も含みます。

被相続人の一身専属権は含みません。
一身専属権の例として
 親権など身分上の権利、慰謝料請求権など

遺産分割(いさんぶんかつ)

法定相続と異なる相続分や相続方法を法定相続人全員の協議、
話し合いで決めることができます。
これを遺産分割といっています。

法定相続人が3人いる場合、そのうちの一人が全部相続する場合も遺産分割です。
(実質上2人は放棄であったり、代償分割であったりします。)

遺産分割の協議、話し合いが相続人の間で決まらない場合、
家庭裁判所に遺産分割の調停を申立てることができます。

  • 遺産分割の効力
    法定相続人全員の協議によって遺産の分割が確定すると、
    相続開始のときまで、さかのぼって効力を生じます。

    例えば、法定相続人が3人いて、そのうちの1人Aさんが遺産分割によって相続すると、
    相続開始のときにAさんが全部所有権を取得していたことになります。

    ですが、遺産分割をするまでの間に権利を取得した人Bさんに対して、
    Aさんは所有権全部を主張することができない場合があります(民法909条但書)。
    Aさん、Bさんのどちらか先に登記をしたほうが自分の権利を主張することができます。

    そういう意味でも相続登記は早めにしたほうがよいでしょう。

意思能力(いしのうりょく)

例えば、よく意思能力のない人がした法律行為は、無効です、といわれています。
法律行為をするときには、この意思能力が必要になります。

契約を例にすれば、老人が認知症で、自分で何を言っているのか理解できず、
契約の内容も理解できないにもかかわらず、悪質リフォーム業者に契約をさせられる、
ということが社会問題になっています。

この場合、契約は無効です。
ですが、無効であるにもかかわらず、なぜ、支払ってしまうことになるかというと、
リフォーム代金をクレジットで支払うということも同時に契約させられるからです。

こうなると、リフォーム業者は、
クレジット会社から代金を全額受け取ることができます。
後は、クレジット会社と認知症の老人との関係になり、
クレジット会社が、この老人に請求することになります。

悪質リフォーム業者は、契約さえしてしまえば、儲けものと思って、後を絶ちません。

この場合、リフォーム会社に対して、契約は無効だから代金を返せ、といっても、
なかなか返してくれません。
結果、裁判に訴えることになります。

クレジット会社に対しては、契約が無効だからクレジット契約も無効だ、
ということで、裁判で争うことになります。

裁判になると、解決までの時間がかかること、
弁護士・司法書士に頼む費用がかかることなど、
しなくてもいいことをしなければならなくなります。

要するに、意思能力とは、法律行為をするとき、その法律行為が、
どういう意味があるのか、その法律行為によって、どういう結果になるのか、
という意味を理解できる能力、そして、この認識にもとづいて、相手に対して、
自分の意思を表示することができる能力、ということになります。

最近、私は、1万円以上の買い物をするとき、
店員さんに分割払いでもいいですか、と試しに聞くときがあります。もちろん、断られます。
クレジットカードならいいですよ、と言われます。

便利な世の中になった反面、むずかしい、やっかいなことが起きる世の中です。
さて、自分の場合、お客さんから分割払いでもいいですか、と聞かれれば、
やはり、全額お支払いいただきます、と言ってしまいます。

遺 贈 (いぞう)

遺言で、遺産の全部または一部を譲与することができます。
遺言でしなければならない点で、譲与される相手との契約ではありません。

これが契約の場合は、死因贈与がありますが、
贈与する人と贈与される人との死因贈与契約です。
贈与しようとする人が亡くなったときに、贈与契約の効力が発生します。
この登記もできます。

例えば、条件付所有権移転仮登記、
原因 平成○○年○○月○○日贈与(条件 ○○の死亡)。

遺贈は、法定相続人のほか誰に対してもできます。
遺贈を、実際、行うときは、法定相続人が義務履行者になります。
遺言執行者がいるときは、遺言執行者が行います。

遺贈には、包括遺贈と特定遺贈があります。
包括遺贈は、遺産の全部またはその一部、ある割合が対象になります。
したがって、包括遺贈の場合は、法定相続人と同じ立場、法律上同じ地位にあって、
遺産の分割について協議したり、相続放棄、限定承認ができます。
特定遺贈は、この土地、このマンションというように、特定された遺産が対象になります。