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相続登記用語集(サ行)相続人,相続欠格,相続人の廃除,相続分,尊属,親権者

 目次(下の項目をクリックしていただくとジャンプします。)

相続人(そうぞくにん)

遺産を受け継ぐことができる人の中で、法定相続人がいます。
次の人たちが法定相続人です。民法に規定されています。

  • 配偶者
    配偶者は、婚姻関係、結婚している夫婦の一方のことで、
    夫に対して妻、妻に対して夫のことをいいます。

    たとえ、別居中でも離婚しないかぎり相続権があります。
    反対に、夫婦同然に一緒に暮らしていても、
    正式な結婚の届け出をしていない人(内縁関係)、
    この人の場合は、配偶者とは認められないので、相続権がありません。
    認められるとすれば、法定相続人が誰もいない場合、
    特別縁故者であれば可能性はあります。
    • 実子
      父母が離婚している場合であっても、双方の相続人になれます。
    • 養子
      血のつながりがなくても、
      法律上、実子と同じ扱いになる届け出をしたときの養子は、
      実子と同じ割合の法定相続分を持つ相続人になります。
      普通の養子は、養子縁組後であっても、
      養子の実の親の相続について、相続権があります。

      特別養子の場合、6歳未満の子を養子とするときに、
      家庭裁判所で認められた特別養子は、
      実の親の相続については相続権がありません。
      これは、特別養子縁組のときに、実の親との親族関係を終了させて、
      縁組することが要件になっているからです。
  • 直系尊属
    父母、祖父母などを指します。
    直系尊属が相続人になれるのは、子も孫もいないときです。
  • 直系卑属
    子や孫などを指します。
    親より先に子が亡くなっているときは、孫が相続人になります(代襲相続)
    このとき、子の配偶者には相続権がありません。
  • 兄弟姉妹
    子や孫、祖父母などがいない場合、亡くなった人の兄弟姉妹が相続人になります。

    法定相続人ではありませんが、次の人も遺産を受け継ぐことができる場合があります。
  • 受遺者(じゅいしゃ)
    遺言によって財産を受け取ることができる人。
    法律上有効な遺言書に相続財産の受取人として書かれた人。
  • 特別縁故者(とくべつえんこしゃ)
    法定相続人による相続、遺言による財産の引継ぎもないとき、
    家庭裁判所に請求して遺産の引継ぎが認められた人。

相続欠格(そうぞくけっかく)

相続権を有する人が、民法に規定された行為をした場合、相続権を失うことになります。
民法に規定されている主な相続欠格行為は、次のとおりです。

  • 故意に、被相続人、相続についての先順位者や同順位者を殺害したため、
    または、殺害しようとしたために、刑に処せられた者
  • 被相続人が、相続に関する遺言をしたり、遺言を取り消したり、
    遺言を変更しようとすることを、詐欺や強迫によって妨げた者
  • 被相続人に関する遺言を、詐欺や強迫によって、これをさせたり、
    取り消させたり、変更させた者
  • 相続に関する被相続人の遺言書を、偽造、変造、破棄、隠匿した者

これらの行為に該当する者は、法律上当然、相続する権利を失います。
ただし、この者に、被相続人直系の子がいるときは、
この子が相続人になります(代襲相続)。

相続人の廃除(そうぞくにんのはいじょ)

遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して、
虐待、重大な侮辱、著しい非行があったとき、
被相続人は、その行為をした推定相続人の廃除を
家庭裁判所に請求することができます。

遺言書に記載することによっても、
遺留分を有する推定相続人の廃除をすることができます。
この場合、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の請求をします。

廃除が確定すると、廃除された人は相続権を失います。
ただし、この人に、被相続人直系の子がいるときは、
この子が相続人になります(代襲相続)。

相続分(そうぞくぶん)

相続分とは、法定相続分をいいます。
法定相続分とは、法律上、民法で決められている法定相続人
(法律上相続する権利のある人)が相続できる権利の割合をいいます。

  • ケース1 相続人が配偶者と子の場合
    遺産、相続財産全体に対して、配偶者が2分の1、子が2分の1を相続します。
    子が2人以上いる場合は、子の相続分2分の1をさらに均等に分けます。
    子が4人いれば、1/2×1/4=1/8が、子1人当たりの相続分になります。

    この相続分は、子が嫡出子と非嫡出子では異なります。
    嫡出子は、結婚している(婚姻の届けをしている)人(男女)から生まれた子です。
    非嫡出子は、嫡出子でない、という意味で、結婚していない人から生まれた子です。

    例えば、父親の結婚によって生まれた子は嫡出子です。
    父親の結婚によって生まれた子ではない子は、非嫡出子です。
    このとき、非嫡出子は、父親から認知されていることが必要です。
    認知は、父親が子を自分の子として認めて役所に届出たこと、
    または裁判で認知が認められたこと、遺言で認知したこと、です。

    実際、父親の子であっても認知されていない子には相続権がありません。
    ただし、母親の子は、母親の子であると戸籍上記載されていれば認知の問題ではなく、
    当然、母親の相続について相続権があります。

    相続分については、非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の2分の1です。(半分)
    子が相続財産全体の2分の1の相続分がある場合で、
    2人の子のうち、1人が非嫡出子であるときは、
    非嫡出子と嫡出子の相続分の割合は、1:2なので、
    非嫡出子の相続分は、全体の1/2×(1/1+2)=1/6になります。
    嫡出子の相続分は、1/2×(2×1+2)=2/6になります。

  • ケース2 被相続人に子がいない場合
    法定相続人は、配偶者と直系尊属(祖父母)です。
    このとき、配偶者には、相続財産全体の3分の2、
    祖父母には3分の1の相続分があります。
    配偶者がいないときは、祖父母がすべて相続します。

  • ケース3 被相続人に子も直系尊属もいない場合
    法定相続人は、配偶者と被相続人の兄弟姉妹です。
    このとき、配偶者には、相続財産全体の4分の3、
    兄弟姉妹には4分の1の相続分があります。
    配偶者がいないときは、兄弟姉妹がすべて相続します。

    兄弟姉妹の相続分は、子の嫡出子、非嫡出子の場合と同様に、
    兄弟姉妹間で相続分が異なる場合があります。
    兄弟姉妹の父母が同じ場合と、一方だけが同じ場合で相続分が異なります。
    2人の兄弟姉妹だけが相続人になるケースでは、
    父母の双方が同じ場合は、それぞれ2分の1を相続します。

    例えば、被相続人の兄弟姉妹ではあるが、
    被相続人の父親母親が同じ兄弟姉妹Aさんと
    被相続人の父親は同じであるが母親が違うBさんの場合、
    Aさんの相続分は3分の2で、Bさんの相続分は3分の1になります。

尊属(そんぞく)

ある人を中心にして、血族の中で、上の世代を尊属といい、
下の世代を卑属といいます。

具体的には、父母、祖父母などを尊属、この場合、直系尊属といいます。
子、孫などを卑属、この場合、直系卑属といいます。

親権者(しんけんじゃ)

成年に達しない子、未成年者は、父母の親権に服します。
父母が未成年者に対してする監護、教育、財産管理、
法律行為の代理権などを父母の親権といいます。
子が養子であるときは、養子縁組による養親が親権を行使します。

父母の婚姻中は、父母が共同して親権を行使するのが原則ですが、
父母の一方が親権を行使できないときは、他の一方が親権を行使します。
親権を行使する父または母とその子との利益が相反する行為をするときは、
その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求します。

数人の子に対して親権を行使する場合、
例えば、2人の子との間で利益が相反する行為をするときは、
その1人について特別代理人を選任する必要があります。
遺産分割協議の場合は、未成年の子、それぞれに特別代理人を選任します。
遺産分割における親子間での協議、
親の債務を担保するために子の不動産に抵当権を設定する行為などの場合に、
特別代理人が子を代理します。