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相続登記費用とマンションの土地の数

マンションの場合、専有部分の建物(お部屋)とマンションの土地(持分)の組み合わせで、一つの権利(所有権)です。

マンションには、登記上、敷地権付のマンションと敷地権付ではないマンションがあります。
両者の違いは、登記上、建物の登記記録に土地の表示が記載されているか否かの違いです。

敷地権付マンションでは、お部屋の建物と土地が一体となり、所有権移転や担保設定をする場合には、建物と土地を切り離して登記することができない、という性質があります。

敷地権付ではないマンションの場合、この制限がなく、建物と土地を切り離して登記することができます。
ただし、現実の取引では、建物と土地を切り離して、どちらか一方だけを取引の対象にして登記することは、権利上(所有権や抵当権)意味のない、不完全なものとなりますので、現実は、切り離して登記することはないといってよいでしょう。

さて、登記費用についてですが、
マンションの土地、実際に登記されている土地の数は、そのマンションによって異なります。
普通のマンションは、最低でも1個の土地が所有権(持分)として登記されています。
土地が2個、3個のマンションもあります。
意外に多いのが、例えば、土地が30個というマンションもあります。
このように、ご自分が所有するマンションの土地が30個ある場合、なんらかの登記をするたびに、基本的に登記費用がかさむことになります。

マンションの所有者は、ご自分のマンションの土地の個数を意識また認識していないのが普通だと思います。

相続登記をする場合を例にしてみましょう。
まず、相続登記をするには、登録免許税(登記所に納付する税金)を計算します。
登録免許税は、市区町村役場(東京都の場合は都税事務所)に保管されている固定資産税を計算するための基礎となる固定資産課税台帳に記載されている評価価格で計算します。
このため、固定資産の評価証明書を取得します。

評価証明書を取得するには、手数料を役所に支払います。この手数料は、役所によって異なります。
例えば、横浜市の区役所で評価証明書を取得する場合は、1通300円です。
横浜市の場合、評価証明書1枚について1物件(建物または土地)しか記載されません。
そのため、マンションの土地が30個ある場合は、土地だけで9,000円かかり、建物と合わせると9,300円かかることになります。
評価証明書の取得だけで9,300円もかかることになります。
土地が1個のマンションでは、建物300円、土地300円の合計600円です。この違いは思いもよらず大きいと感ずることでしょう。

土地が30個あるマンションの場合、9,300円もかからない方法があります。
それは、名寄帳を取得します。
名寄帳は、ある人の、ある市区町村内に所有している不動産が、1枚の用紙に記載されているものです。この証明書を取得します。
そうすると数百円ですむことになります。

次に、相続登記を司法書士に依頼する場合、司法書士の基本報酬に土地の数だけ報酬が追加されるのが普通です。
例えば、その追加報酬が土地1個につき1,000円だとして、土地が30個ある場合には、29個分、すなわち29,000円の報酬が追加されます。

当事務所では、マンションの場合、土地の個数についての制限はなく、たとえ30個の土地があっても基本報酬とさせていただいております。
その理由は、ご依頼人にしてみれば、土地が30個であろうと1個であろうと、土地の個数の認識をしていないからです。

土地の個数の問題は、登記名義人の住所変更、氏名変更や抵当権抹消、その他の登記についても費用がかさむことになります。

根本的な問題として、では、なぜ、土地が30個もあるマンションが存在するのでしょうか?

マンションを販売する業者がなんらかの理由で、土地を1個にできなかったか(複数ある土地を1個に合筆登記できなかった。)、あるいは、1個にしようとしなかった、からでしょう。

それでは、今から複数ある土地を1個にできるでしょうか。
条件は、マンションの所有者全員の同意が必要です。さらに、複数の土地を1個にする登記とすべての専有部分の建物の表題を変更する必要があるため登記費用がかかります。
これらの条件をクリアすれば、複数の土地を1個にすることができるでしょう。
ですが、現実は、複数の土地を1個の土地に変更するマンションは、ほとんど存在しないといってもよいでしょう。
その理由は、複数の土地を1個にしたいと思わないし、ましてやその方法を知らないからでしょう。