相続登記情報館トップ相続事例集認知症の相続人に代わって遺産分割に参加することは?

認知症の相続人に代わって遺産分割に参加することは?

事例
義兄が認知症のため、義弟が相続手続を代行できますか?

昔は、すくなくとも10年ほど前までは、不動産登記法改正前までは、登記所には書類審査権のみで、実体を調査する権限がありませんでした。
ですので、結果として、認知症の方の代わりに別の人が代理して、手続を行うこともあったようでしたが、
現在では、不動産登記法の改正により、登記申請された内容に疑義がある場合、登記所は実体を調査する権限があります。

認知症の方の場合、ご本人は、基本的に意思を表示する能力がありませんので(症状により異なりますが)、遺産分割協議をすることができません。
また、遺産分割協議の代理を委任する意思も確認することができません。

もし、このことが、登記所に知られると、登記した後でも同じことですが、
その登記手続を代理した司法書士は、懲戒処分の対象となり、責任を問われることになります。
例えば、相続登記した不動産を後日売却する場合、後述の成年後見人が手続をすることにより、過去に相続登記した内容を問われることになります。

ですので、義弟が相続手続きを代行したい場合であっても、司法書士は相続登記手続を受託できない、ということになります。

そこで、このように、認知症の方の場合、遺産分割協議をする前に、成年後見制度に基づいて、家庭裁判所において、正式に、義兄の代理人となる成年後見人を選任してもらう必要があります。
義兄の代理人である成年後見人遺産分割協議をすることになります。

この成年後見人の選任までの日数は、家庭裁判所に多少異なりますが、概ね、3か月から半年です。
費用は、実費で約20万円(医師の鑑定料など)、その申立てを専門家に依頼する場合は、報酬は約10万円から20万円かかります。
合計30万から40万円かかります。