相続登記情報館トップ相続事例集遺産分割協議書作成後の法定相続人の死亡と未成年者がいる場合

遺産分割協議書作成後の法定相続人の死亡と未成年者がいる場合

これは、ある登記所に相続登記を申請したときの説明文です。
この説明文で、登記が完了しました。(青森地方法務局むつ支局)

相続事例は、遺産分割協議の成立後に相続人が死亡した場合を参照

本日、ご連絡いただきました相続登記の件につき、参考資料の送付と併せて、ご説明させていただきますので、よろしくご検討のほど、お願い申し上げます。
 
平成○○年○月○日受付第○○○○号相続による所有権移転登記申請の説明です。
本件登記申請の事案は次のとおりです。

被相続人の死亡により、その法定相続人全員で遺産分割協議をし、それぞれ記名、実印の押印で、遺産分割協議書を作成しました。
この遺産分割協議書は、添付書面として提出済みです。

その後、遺産分割協議書作成後、法定相続人のうちの一人が死亡したため、死亡した人の法定相続人全員で、遺産分割の内容に相違ないことの証明書を作成しました。
この証明書についても、添付書面として提出済みです。
死亡した人の法定相続人には、未成年者がおり、その母が親権者として未成年者の代わりに署名、実印の押印をしております。

参考資料の事例は、遺産分割協議がなされ、協議書を作成しないうちに、法定相続人のうちの一人が死亡した場合で、さらに、死亡した人の法定相続人の中に、未成年者がいる場合について書かれております。

この資料の回答は、この場合、最初の相続人が相続により取得したとする遺産分割協議がなされていた旨の証明書を、死亡した人の法定相続人の作成した証明書を添付すればよいとする内容です。
さらに、死亡した人の法定相続人の中に、未成年者がいる場合は、その親権者が未成年者に代わって、署名、押印すればよいとする内容です。
この場合、この未成年者のために特別代理人を選任する必要はないとしています。

本件登記申請においては、参考資料の、遺産分割協議書を作成しないうちに、ではなく、むしろ、遺産分割協議書はすでに作成されており、遺産分割協議が成立していることは明らかです。

この遺産分割協議書に、協議書作成当時の印鑑証明書が添付されていないからといって、この遺産分割協議が無効であるという理由にはなりません。
むしろ、すくなくとも、協議書作成後に死亡した相続人を除き、協議書に押印された印影と同一の法定相続人の印鑑証明書が添付されている以上、作成された協議書が有効であることを表しております。
さらに、死亡した人の法定相続人が、作成された協議書の内容を認め、印鑑証明書を添付している以上、協議書全体としての有効性を証明しています。

未成年者については、親権者と未成年者が互いに向き合う関係ではなく、単に、相手方に対して同一方向で、遺産分割協議が成立した事実を証明することですので、この事実を証明することについて、親権者と未成年者の利益相反行為とはいえません。
したがって、未成年者のために特別代理人を選任する必要もありません。

これは、親権者と未成年者の共有不動産を他に売却する場合も、親権者と未成年者は互いに向き合う関係ではなく、買主に対して同一方向で契約をしますので、利益相反行為となりません。

本件の遺産分割協議が成立した事実を証明することは、契約でもなく、単に事実を証明することですので、親権者と未成年者の利益相反行為とはいえません。

したがって、○○様のお考えとは反対に、改めて、遺産分割協議書を作成する必要もなく、かつ、未成年者のために特別代理人を選任する必要もないものと考えます。

改めて、ご検討のほどお願い申し上げます。