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遺留分減殺と清算金の支払い

遺言公正証書に基づいて、すでに、相続による移転登記、遺贈による移転登記が完了しています。
その後、法定相続人から遺留分減殺請求があり、遺留分減殺請求権者から受遺者に対して、清算金の支払いを伴う不動産の取戻しの移転登記をしようと考えています。

この場合の登記の方法について

清算金の支払いの問題があるので、新たに公正証書を作成して、遺留分減殺を登記原因として移転登記手続きをします。

移転登記の原因を遺留分減殺と売買ではなく、遺留分減殺だけにします。

移転登記の原因を遺留分減殺だけにした場合の問題点とその結論
問題点? 譲渡所得税、贈与税など国税の問題(受遺者の問題)
問題点? 不動産取得税の問題(遺留分減殺請求権者の問題)
問題点? 移転登記の登録免許税の税率の問題(遺留分減殺請求権者の問題)

問題点? 譲渡所得税、贈与税など国税の問題(受遺者の問題)
遺留分減殺だけを登記原因にして移転登記をした場合、譲渡所得税、贈与税など国税は基本的にかかりません。
理由:遺留分減殺も相続の一環として国税上考えるからです。したがって、遺産分割における代償金の支払いと同様に、遺留分減殺において清算金の支払いがあっても、それが法定遺留分の範囲内の額であるならば、贈与税はかかりません。

問題点? 不動産取得税の問題(遺留分減殺請求権者の問題)
遺留分減殺だけを登記原因にして移転登記をした場合、不動産取得税は基本的にかかりません。
理由:遺留分減殺も相続の一環として県税上考えるからです。
ただし、遺留分を超える持分については不動産取得税がかかる、というのが県税事務所の見解です。

この場合、遺留分を超える持分について不動産取得税の納付通知が来た場合、遺留分減殺請求権者は、異議を申し立てるべきでしょう。
理由:遺産分割における代償金の支払いと同様に、遺留分減殺において清算金の支払いがあっても、それが法定遺留分の範囲内の額であるならば、不動産取得税はかからない、と考えるべきであり、国税におけるそれと異なる解釈になることからです。

問題点? 移転登記の登録免許税の税率の問題(遺留分減殺請求権者の問題)
遺留分減殺による移転登記の税率は、1000分の4です。(0・4%)(平成23年8月1日現在の税率)
これは、相続による移転登記の税率と同じです。
売買による移転登記の税率は、1000分の13です。(1・3%)(平成23年8月1日現在の税率)
遺留分減殺だけを登記原因とした場合、実際は、遺留分侵害持分を超えた持分も含んでいるので、この超えた持分に対しても、税率の1000分の4(0・4%)を適用することができるか、という問題があります。
結論は、移転登記する持分全部に、税率1000分の4(0・4%)を適用します。

以上の理由により、移転登記する原因を単に遺留分減殺とします。

参照:遺留分
   遺留分減殺請求による移転登記
   相続登記後の遺留分減殺請求権の行使