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遺言事項で法律上の効果のある事項は?

遺言書には、何を書くことができるでしょうか?

遺言の内容として法律上の効果のある事項は、法律(民法など)で定められています。
主なものは、次のとおりです。
? 認知
? 遺贈
? 相続分の指定
? 遺産分割方法の指定
? 遺言執行者の指定

その他
相続人の廃除または廃除の取消し
遺産分割の禁止
共同相続人間の担保責任の指定
遺贈の減殺方法の指定
特別受益の持戻しの免除
祭祀承継者の指定
財団法人設立のための寄附行為
遺言信託の設定
生命保険金受取人の指定または変更
未成年者後見人または未成年者後見監督人の指定
など

? 認知
父が婚姻関係でないときに生まれた子を自分の子として認めること(認知)を、遺言ですることができます。

父が存命中は、その子を自分の子として認め届け出ることによって法律上の親子関係が生じます(任意認知)。
また、子が父に対して裁判をすることによって親子関係が生ずる場合もあります(強制認知)。

認知された子は、父の相続人になります。
ただし、認知された子(非嫡出子)は、父に、婚姻関係によって生まれた子(嫡出子)があるとき、この嫡出子に対して、2分の1の相続権しかありません。

? 遺贈
遺贈は、遺言で、遺産の全部または一部を譲与することができます。
遺言でしなければならない点で、譲与される相手との契約ではありません。
遺贈は、法定相続人のほか誰に対してもできます。
ただし、実際、遺贈を行うときは、法定相続人が義務履行者になります。
遺言執行者がいるときは、遺言執行者が行います。
したがって、遺贈の場合、相続人であっても単独で手続きを行うことができません。

法定相続人に対しては、遺贈という言葉ではなく、相続という言葉を使います。
相続は、法定相続人が単独で手続きを行うことができます。

遺贈は、法定相続人以外の人に対して行うときに、この言葉を使います。

遺贈には、包括遺贈と特定遺贈があります。
包括遺贈は、遺産の全部またはその一部、ある割合が対象になります。
したがって、包括遺贈の場合は、法定相続人と同じ立場、法律上同じ地位にあって、遺産の分割について協議したり、相続放棄、限定承認ができます。
特定遺贈は、この土地、このマンションというように、特定された遺産が対象になります。

? 相続分の指定
相続分の指定とは、相続人の誰々に、例えば、3分の1を相続させ、相続人の誰々には3分の2を相続させる、というものです。
これは、法定相続分とは異なった相続分を指定する、相続させる、ということです。

? 遺産分割方法の指定
遺産分割方法の指定とは、相続人の誰々にA不動産を相続させ、相続人の誰々にはB不動産を相続させる、というものです。
遺言では、相続分の指定ではなく、遺産分割方法の指定、として書くのが良いでしょう。

? 遺言執行者の指定
遺言執行者の指定は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をすることを誰々にさせることを遺言で指定することができます。
ただし、特定の不動産を相続人誰々に相続させる遺言の場合、遺言執行者には相続による登記の申請権限はありません。
この場合、相続人が単独で相続による登記の申請をすることができます。

遺贈の場合、これを受ける受遺者を遺言執行者に指定することもできます。
この場合、受遺者が遺言執行者を兼ねるので、受遺者が単独で遺贈による登記を申請することができます。

認知をする場合は、この手続きをする遺言執行者を指定した方がよいでしょう。

遺言の内容として、漠然と、相続人誰々に何分のいくつ相続させる、というよりも、相続させる財産を特定した方がよいでしょう。

財産の中には、積極財産(プラスの財産)に限らず、消極財産(マイナスの財産)もある場合があります。

まずは、遺言者が自分の財産を整理して、相続人誰々に何を相続させるかを決めた方がよいでしょう。

相続開始後、残された相続人は、何が相続財産なのか、わからない場合があるからです。

曖昧なまま、遺言を書くと、相続開始後、相続人の間で、話しがまとまらない、ということもあるからです。
遺言を書く以上、この辺を明確にした方がよいでしょう。

参照:遺留分