相続登記:「住民票コード」を提供すれば、住民票の提出を省略できる。
執筆者:司法書士 芦川京之助(横浜リーガルハート司法書士事務所)
相続登記における「住民票コード」について解説します。
【相続登記相談】
【質問】相続登記の「添付情報」で、「住所証明情報」として、住民票の代わりに「住民票コード」を提供すれば、住民票を法務局に提出しなくてもよいと言われているのはなぜですか。
「住民票コード」とは

「住民票コード」のポイント
- 「住民票コード」は、平成14年8月の住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の上で、市町村民を識別するために設定されている「個人ごとにランダムに設定された固有の11ケタの番号」です。
他市町村との間の転入・転出による住所変更や婚姻等によって氏名が変更した場合であっても、住民票コードに変更がありません。 - 住民票を請求する際、「住民票コード」は、住民票に、当然に記載されるものではなく、「住民票コード」も併せて請求する場合に、住民票に記載されます。
- 平成14年8月5日以降に出生した場合、帰化・国籍取得した場合、国外から転入した人でで初めて住民票を作成した人へは、市区町村役場から「住民票コード通知票」で「住民票コード」を知らせることになります。
- 「住民票コード」を知りたい場合(紛失、再発行)、市区町村役場の窓口で申請するか、郵送により、「住民票コード通知票」(無料)を取得することができます。
「住民票コード」の必要性
- 氏名には、よく似た文字が存在し、その識別が困難です。そのため、住基ネットで本人確認を行う場合に氏名・住所だけでは同一人物かどうかを確認できない場合があります。
- このため、氏名・住所などによる検索処理を行う場合には、システム的にも大きな負担がかかり、検索に多くの時間がかかってしまいます。
その点、「住民票コード」による照合は、迅速な検索が可能になるため、住基ネットで本人確認を行う時間を短縮することができます。 - 「住民票コード」は、次のような場合に使用されます。
市町村、都道府県、国の行政機関などが、法律や条令の定めにより住民票の写しの添付に代えて、コードの告知を求めることがあります。(住民票コードの利用は、限られた分野でのみ認められています。)
具体例
パスポート申請の際に、従来であれば住民票の添付が必要でしたが、住基ネットを利用することによって、住民票の写しの提出を省略することができます。
不動産登記で提供する「住民票コード」
不動産登記(所有権移転・所有権保存)では、「住所証明情報」と「検索用情報証明情報」を「添付情報」とします。
「住所証明情報」と「検索用情報証明情報」を「添付情報」としなければならない不動産登記
相続登記や売買・贈与・財産分与などによる所有権移転登記、所有権保存登記では、「住所証明情報」と「検索用情報証明情報」を「添付情報」としなければなりません。
「住所証明情報」は、新たに登記名義人(相続人・権利者・所有者)となる人の「住所を証明する書類」のことをいいます。通常、「住所を証明する書類」は、「住民票」を法務局に提出します。
また、この住民票は、「添付情報」の「検索用情報証明情報」としても法務局に提出します。
次を参考にしてください。
検索用情報の申出:令和7年4月21日から開始
不動産登記規則
(添付情報)
第七条 登記の申請をする場合には、次に掲げる情報をその申請情報と併せて登記所に提供しなければならない。
六 前各号に掲げるもののほか、別表の登記欄に掲げる登記を申請するときは、同表の添付情報欄に掲げる情報
別表三十 所有権の移転の登記
添付情報
ハ 登記名義人となる者の住所を証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報(公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報)
(添付情報の一部の省略)
第九条 第七条第一項第六号の規定により申請情報と併せて住所を証する情報(住所について変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する情報を含む。以下この条において同じ。)を提供しなければならないものとされている場合において、その申請情報と併せて法務省令で定める情報を提供したときは、同号の規定にかかわらず、その申請情報と併せて当該住所を証する情報を提供することを要しない。
(会社法人等番号の提供を要しない場合等)
第三十六条
4 令第九条の法務省令で定める情報は、住民票コード(住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第七条第十三号に規定する住民票コードをいう。)又は会社法人等番号(商業登記法第七条(他の法令において準用する場合を含む。)に規定する会社法人等番号をいう。以下同じ。)とする。ただし、住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する情報を提供しなければならないものとされている場合にあっては、当該住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを確認することができることとなるものに限る。
相続登記で「住民票コード」を提供する場合の登記申請書
登記申請書(一部省略)
登記の目的 所有権移転
原 因 令和〇年〇月〇日相続
相 続 人 (被相続人 父(氏名)○○)
(住所)○○
子(氏名)○○
氏名ふりがな ○○ ○○
生年月日 〇年〇月〇日
メールアドレス ○○@○○(メールアドレスの申出は任意)
添付情報
登記原因証明情報
住所証明情報(添付省略・住民票コード:12345678901)
検索用情報証明情報(添付省略・住民票コード:12345678901)
評価証明情報
令和〇年〇月〇日申請 ○○法務局 ○○出張所・支局 御中
課税価格 金○○円
登録免許税 金○○円(課税価格の0・4%)
不動産の表示
所 在 ○○市〇区〇町〇丁目
地 番 〇番地〇
地 目 宅地
地 積 ○○・○○平方メートル
この価格 金○○○円
所 在 ○○市〇区〇町〇丁目 〇番地〇
家屋番号 〇町〇丁目 〇番〇の〇
種 類 居宅
構 造 木造スレートぶき2階建
床 面 積 1階 ○○・○○平方メートル
2階 ○○・○○平方メートル
この価格 金○○○円
(以上 2026年 横浜地方法務局 横須賀支局で登記完了)

「住民票コード」を使用する場合、「住民票コード通知票」(無料)または「住民票コードが記載されている住民票」(有料)をご用意いただく必要があります。
なぜなら、新たに登記名義人(相続人・権利者・所有者)となる人の住所と氏名が明確でなければ(「住民票コード(番号)」だけでは)、登記申請書を作成できないからです。
まとめ:相続登記:「住民票コード」を提供すれば、住民票の提出を省略できる。
【回答】不動産登記(相続登記、売買・贈与・財産分与など所有権移転・所有権保存)では、「住所証明情報」と「検索用情報証明情報」を「添付情報」とします。
「住所証明情報」と「検索用情報証明情報」は、通常、住民票を使用します。
「不動産登記規則」第九条で、「第七条第一項第六号の規定により申請情報と併せて住所を証する情報(住所について変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する情報を含む。以下この条において同じ。)を提供しなければならないものとされている場合において、その申請情報と併せて法務省令で定める情報を提供したときは、同号の規定にかかわらず、その申請情報と併せて当該住所を証する情報を提供することを要しない。」と規定されています。
この結果、住民票の代わりに「住民票コード」を提供すれば、住民票の提出を省略することができま
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