相続登記申請書の書き方
以下は、相続登記申請書の書き方の見本です。
相続登記の主な申請書の見本を記載します。法務局(登記所)に紙申請で申請書を提出するときの見本です。
申請書の用紙は、A4版(縦)コピー用紙で可、すべて手書きでも可、横書きです。申請書は、通常、パソコンの「ワード」で作成します。
申請書の作成は、相続登記の手順を踏まえて行ってください。
相続登記の方法については、相続登記申請の仕方を参考にしてください。
相続登記申請書については、法務省のサイトにもありますので、不動産登記の申請書様式についてを参考にしてください。
相続登記の「登記の目的」・「(登記の)原因」・「申請人」を参考にしてください。
「登記の原因」については、相続登記とは(意味)を参考にしてください。
以下のケースは「登記原因」が「相続」の場合の申請書の書き方です。登記原因が「遺贈」や「遺産分割」の場合は、これと異なる申請書の書き方となります。
法定相続人以外の人に「遺贈する。」という内容の遺言書での相続登記の方法を参考にしてください。
ケース1 相続不動産:土地・建物で名義人の被相続人横浜太郎が全部を所有してる場合の申請書(書き方)
被相続人:横浜太郎 相続人:B横浜花子が不動産を相続取得した場合
「相続」で申請する場合の申請書の書き方については、申請書の下に具体的に記載します。
登記の目的 所有権移転
原 因 令和 年 月 日 相続
相 続 人 (被相続人 横浜太郎)
(Bの住所)川崎市
(Bの氏名)横浜 花子 ㊞ 登記識別情報の発行を希望する
連絡先の電話番号 ○○ー○○ー○○
(訂正や不足書類がある場合、法務局が連絡してくれる。)
添付情報
登記原因証明情報 住所証明情報 評価証明情報 (代理権限証明情報)
令和 年 月 日申請 (横浜)地方法務局(神奈川)出張所・支局 御中
課税価格 金 円
登録免許税 金 円
相続登記と登録免許税の非課税(土地評価価格100万円以下)(令和7年(2025年)3月31日まで)や相続登記の課税価格と登録免許税の計算方法(ケースごとの計算方法)を参考にしてください。相続登記と私道(公衆用道路)の登録免許税計算方法
不動産の表示
不動産番号 23234566(書いても書かなくてもどちらでも問題ありません。)
所 在 川崎市中区関内 丁目
地 番 番
地 目
地 積 ・ 平方メートル
この価格 金 円
不動産番号 12234566(書いても書かなくてもどちらでも問題ありません。)
所 在 川崎市中区関内 丁目 番地
家屋番号 番
種 類 居宅
構 造 木造スレート葺2階建
床 面 積 1階 ・ 平方メートル
2階 ・ 平方メートル
この価格 金 円
申請書の「相続の日付」は、被相続人横浜太郎の死亡日
(遺産分割協議書を作成した場合であっても、協議が成立した日ではなく、被相続人の死亡日を「相続」の日付とします。遺産分割協議が成立したときは、被相続人の死亡日に遡って協議成立の効力が生じるからです。)
申請書に押印する相続人横浜花子の印鑑は、認印で可、シャチハタは不可
(遺産分割協議書には実印を押印しますが、申請書には認印で問題ありません。実印でも問題ありません。)
相続登記申請書:「不動産の表示」の書き方を参考にしてください。
申請書の「添付情報」について説明
申請書の「登記原因証明情報」の中に、次の書類が含まれる。(必要書類は相続登記の必要書類を参考にしてください。)相続登記の「登記原因証明情報」:相続登記のケースごとの具体的な書類を参考にしてください。
→ 相続関係説明図、被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)、除籍謄本など(出生から死亡まで)相続証明書、遺言書
法定相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書、法定相続人全員の印鑑証明書、家庭裁判所の相続放棄の手続をした相続人がいれば、相続放棄申述受理通知書(または証明書)
→ 被相続人の除票、遺言書、遺産分割協議書、法定相続人全員の印鑑証明書などはコピーし、原本還付手続が必要。(原本還付手続:コピーに「これは原本の写しに相違ありません。申請人の氏名㊞」)
被相続人の除籍謄本や法定相続人全員の戸籍謄本は、相続関係説明図を作成すればコピーをとることなく返却してくれる。
「住所証明情報」
→ この住所証明情報は、名義人となる相続人横浜花子の住民票
原本の返却を希望する場合は、コピーを付けて原本還付手続きが必要
「評価証明情報」
→ この評価証明情報は、固定資産税の評価証明書または固定資産税納税通知書(課税明細書を含む全ページ)原本の返却を希望する場合は、コピーを付けて原本還付手続きが必要
「課税価格」は土地と建物の評価価格の合計金額で、1,000円未満を切り捨てて記載
相続登記の課税価格と登録免許税の計算方法(ケースごとの計算方法)を参考にしてください。
「登録免許税」の税率は、0・4%(登記原因が「相続」
課税価格(評価価格)×0・004=登録免許税 100円未満を切り捨てて記載(最低1,000円)
相続登記と登録免許税の非課税(土地評価価格100万円以下)(令和7年(2025年)3月31日まで)を参考にしてください。
「不動産の表示」は、登記記録(登記簿)に記載されているとおりに記載
「この価格」は、土地、建物、それぞれの評価証明書に記載されている価格(評価価格)を1円単位まで記載
「代理権限証明情報」
→ ほかの相続人を代理人として、または司法書士を代理人として申請する場合に、委任状を作成します。この委任状が代理権限証明情報となります。
親権者が未成年者を代理(法定代理)して申請する場合、戸籍謄本と住民票(本籍地)が代理権限証明情報です。
「不動産番号」について(1)
登記記録情報には、「不動産番号」が記載されています。これは、その不動産を特定するための番号です。不動産すべてについて異なる「不動産番号」が割り振られています。
「不動産の表示」の「不動産番号」は、記載してもしなくても問題ありません。不動産番号は、長い数字だけの羅列のため、登記申請書に記載する場合はよく確認して記載します。間違えやすいです。このため、当司法書士事務所では「不動産番号」を記載しておりません。記載する事項が多くなればなるほど間違える確率が高くなるからです。
「不動産番号」を記載するときの方法について(2)
例えば、次のような書き方をすることもできます。
不動産の表示
不動産番号 1234567890
この価格 金円
不動産番号 0987654321
この価格 金円
この場合、土地であれば、所在・地番・地目・地積、建物であれば、所在・家屋番号・種類・構造・床面積を記載しないとすることもできます。
ただし、この書き方は、敷地権付きマンションの場合、「専有部分に記載されている不動産番号」のみの記載では足りません。
不動産番号のみを記載する方法は、前述しましたように、不動産番号は、長い数字の羅列で間違えやすいので、もし、間違った場合、まったく別の不動産についての申請となってしまいますので、登記の受付が遅れることになります。このため、当司法書士事務所では、不動産番号のみの書き方はしておりません。