相続登記費用:登録免許税(実費)と司法書士報酬(横浜市・川崎市・神奈川県内・東京都内・日本全国対応)
執筆者:司法書士 芦川京之助(横浜リーガルハート司法書士事務所)

相続登記費用(不動産名義変更費用)には、2種類の項目があります。「実費」と「司法書士報酬」がその費用です。
そのうち実費は、登記申請の際、登記所に納める登録免許税(とうろくめんきょぜい)や各種証明書の費用です。(登録免許税は、どこの司法書士に依頼しても同じです。)
費用のうち司法書士報酬は、相続登記を司法書士に依頼し、司法書士が代理申請する費用です。
以下、名義変更手続きにかかる費用として、「登録免許税など実費」と「当事務所に相続登記を依頼されるときの司法書士報酬」について説明します。
費用のうち司法書士報酬は、現在、各司法書士事務所によって異なります。
司法書士に相続登記を依頼されるとき、事前に費用がどのくらいかかるのか、おおまかな合計金額の費用ではなく、実費と司法書士報酬を区別した費用を確認された方がよいでしょう。また、見積書を作成してもらうと、費用の内訳が分かりやすくなりますので、費用の見積書を作成しもらうのがよいでしょう。


費用の見積書を依頼される場合は、見積書(登録免許税など実費と司法書士報酬を区別した)だけではなく、登録免許税の計算式を提示してもらうのがよいでしょう。
登録免許税は、ご自分で申請される場合も、司法書士に依頼される場合もどちらも同じです。税額が変わることはありません。(司法書士事務所によって税額が変わることはありません。)
申請する内容によっては、登録免許税の計算が複雑になる場合があります。
申請の際、登録免許税を多く納めてしまった場合、多く納めた差額は法務局が返却(還付請求をします。)してくれますが、この還付請求は多少面倒な作業ですので、登録免許税を計算する際は、慎重に計算した方がよいでしょう。
また、司法書士事務所に相続登記の申請を依頼される場合、費用の支払い時期について確認された方がよいでしょう。司法書士事務所によっては、登録免許税など実費と司法書士報酬の費用の合計額を事前に概算として預かる事務所もあります。(完了後に精算します。)
当事務所では、概算で事前に費用をお預かりすることはありません。登録免許税など実費は登記申請前にお支払いいただき、司法書士報酬は完了書類をお客様が受領された後にお支払いいただいております。(なぜなら、お客様にとって費用についての誤解や不安がないようにしたいからです。)
費用を負担する人は、通常、新たに名義人となる人が負担します。相続人全員での遺産分割で、不動産を取得することになった相続人が通常、費用を負担します。
行政書士は、相続登記の申請書作成・代理行為を業務上行うことができません。行政書士が相続登記を業務上行うこと(費用を受け取ると)は司法書士法違反となります。
相続登記費用:登録免許税(その他実費)
実費には、主に①登録免許税・登記事項証明書の手数料 ②被相続人・相続人の除籍謄本・戸籍謄本など市区町村役場に支払う手数料 ②登録免許税を計算するために必要な「評価証明書」の手数料があります。
登録免許税は、登記申請の際、登記所に納める税金です。
実費の内容 | 金 額(税 率) |
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登録免許税 | 登記原因が「相続」:不動産の固定資産税「評価価格」の0・4% 登記申請の際、登記所に納める税金です。 (どこの司法書士に依頼しても同じです。) 評価価格は、固定資産税納税通知書の「課税明細書」に記載されている 一番高い(評価)「価格」です。「課税価格」ではありません。 「課税価格」は「評価価格」を基に固定資産税を算出するための価格です。 登録免許税は、例えば、評価価格が1,000万円であれば、40,000円 (評価価格:1,000万円×0・004(税率0・4%)=40,000円) マンションの土地の場合は、評価価格に「敷地権の割合(持分)」を乗じた価格の 0・4%です。 登録免許税を計算した結果、1,000円未満となる場合、一律1,000円です。 (最低限1,000円を登録免許税として納めます。) 登録免許税の計算は、相続登記の課税価格と登録免許税の計算方法(ケースごとの計算方法)を参考にしてください。 |
登録免許税 | 登記原因が「遺産分割」:税率は、移転する持分の評価価格の0・4% |
登録免許税 | 登記原因が「遺贈」(遺言書):受遺者が法定相続人の場合、評価価格の0・4% |
登録免許税 | 登記原因が「遺贈」(遺言書):受遺者が法定相続人ではない場合、評価価格の2% |
登録免許税 | 「配偶者居住権設定」は、建物の評価価格の0・2% |
登録免許税の 非課税(免除) | 土地についての相続登記(相続人に対する遺贈も含む。)(建物は非課税とならない。) 適用期限:令和7年(2025年)3月31日まで 詳しくは相続登記と登録免許税の非課税(免除)(土地評価価格100万円以下)を参考にしてください。 法務省の次のサイトでご確認ください。 相続登記の登録免許税の免税措置について:法務局 (moj.go.jp) |
登記事項証明書 | 1物件1通480円(原則)から600円 登記事項の内容を確認するために取得します。証明文があります。 |
登記記録情報 | 1物件331円(インターネットで確認する場合) 登記事項の内容を確認するために取得します。証明文がありません。 |
公図 | 1枚450円(必要に応じて、特に土地の相続で取得します。) |
戸籍謄本 | 1通450円 相続人であることを証明します。 |
除籍謄本など | 1通750円 被相続人の死亡と相続人を証明します。 |
戸籍の附票 | 1通300円(役所で多少の違いあり) 被相続人と相続人の住所を証明します。 |
住民票(除票) | 1通300円(役所で多少の違いあり) 被相続人と相続人の住所を証明します。 |
印鑑証明書 | 1通300円(役所で多少の違いあり) 遺産分割協議書を作成する場合の相続人の印鑑証明書 |
固定資産税評価証明書 | 1物件300円(役所で多少の違いあり) 登録免許税を計算するために取得します。登記所に提出します。 原則、固定資産税・都市計画税の納税通知書(課税明細書)を代用できます。 |
名寄帳 | 1通300円(役所で多少の違いあり) |
郵送料 | お客様の負担なし(当事務所の場合) |
定額小為替発行手数料 | お客様の負担なし(当事務所の場合) 郵送で除籍謄本などを請求する場合、 役所には、「手数料として支払う定額小為替」を同封して郵送します。 定額小為替は郵便局で購入します。購入手数料1枚につき200円です。 除籍謄本1通750円の場合、「750円の定額小為替」の手数料200円を 足して950円かかることになります。 定額小為替を郵便局で購入する場合、郵便局に「手数料」を支払います。 令和4年1月1日から定額小為替の手数料が、1枚当たり200円となりました。 定額小為替には、50円、100円、200円、300円、350円、450円、750円、1,000円の 種類がありますが、これらのどれを郵便局で購入する場合であっても、 1枚当たり200円です。 |
振込料金 | 相続登記費用を当事務所にお振込みをされるとき |
登録免許税を算出するための「固定資産税評価証明書」は、原則、「固定資産税・都市計画税の納税通知書(課税明細書を含む全ページ)」を代用することができます。代用できるときは、評価証明書の手数料はかからないことになります。(当事務所では、原則、納税通知書(課税明細書を含む全ページ)を使用しています。)
マンションについては、相続登記費用とマンションの土地の個数を見てください。
固定資産評価証明書については、不動産の固定資産税評価証明書を参考にしてください。
相続登記費用:当事務所の司法書士報酬(基本報酬と追加報酬)
当事務所では、「司法書士報酬」を「基本報酬」と「追加報酬(追加料金)」とに分けております。
追加報酬は、基本的な手続のほかに、別の作業や別の手続が加わるとき、難易度が高くな