相続登記と各種相続証明書の取得方法

相続登記と各種相続証明書の取得方法

相続登記(不動産名義変更)をする場合、各種相続証明書の取得が必要です。
例えば、被相続人については、除籍謄本、改製原戸籍謄本、住民票の除票、除かれた戸籍の附票など、
法定相続人については、戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などです。

その他、相続登記の登録免許税を算出するための不動産の評価証明書(固定資産税の評価価格が記載されたもの)の取得も必要となります。評価証明書につきましては、「固定資産税納税通知書(課税明細が記載されているもの)」や「名寄帳(ある人の市区町村内で所有している不動産が記載されているもの)」も、場合によって相続登記で使用することが可能です。

現在、登録免許税の計算をするための「評価価格」を証明するものとして「固定資産税都市計画税の納税通知書(課税明細書を含む)」を基本的には使用します。これがない場合は「評価証明書」を取得します。また、例えば、令和4年の4月・5月に相続登記を申請する場合、令和4年度の「評価価格」で登録免許税を計算する必要があります。この場合、4月・5月の時点では固定資産税都市計画税の納税通知書は未だ役所から郵送されていませんので、令和4年度の評価証明書を取得することになります。

また、印鑑証明書は、通常、「印鑑カード」を役所に提示して取得できるものであるので、印鑑証明書が相続証明書、すなわち、相続手続をする際に必要になるものとはいっても、他の相続証明書の取得方法とは異なります。

以下は、評価証明書と印鑑証明書を除いた相続証明書の取得方法の説明です。

被相続人の各種相続証明書を法定相続人ご本人が取得する場合

各種相続証明書を法定相続人ご本人が取得する場合は、被相続人との関係を証明して取得することができます。
例えば、被相続人が父、相続人が子であれば、被相続人の父の除籍謄本などを取得する場合、ご自分の戸籍謄本には、父母が記載されていますので、これで証明できます。それ以外の除籍謄本や戸籍謄本を取得する場合は、被相続人、相続人の関係が分かる「相続関係説明図」などを作成して、役所に提示することにより、役所は、相続手続に使用するという「法律上の正当な理由」があると判断して、相続証明書を発行してくれます。

役所に出向いて、被相続人の各種相続証明書を法定相続人ご本人が取得する場合

役所に出向いて、法定相続人ご本人が被相続人の除籍謄本などを取得する場合、次の書類と印鑑を持参します。
被相続人の除籍謄本を取得する場合:本籍地の役所で取得(被相続人の本籍地がどこなのかを知っていることが必要)
被相続人の住民票の除票:最後の住所地の役所で取得

  1. ご自分の戸籍謄本など被相続人との関係が分かるもの(相続関係が複雑な場合は相続関係説明図など)
  2. 身分証明書(運転免許証、個人番号カード、写真付きのものでないときは健康保険証、年金手帳など2点)
  3. 印鑑(認印で可)
  4. お金(例えば、除籍謄本:1通750円)

被相続人の除籍謄本の取得方法も参考にしてみてください。

郵送で、被相続人の各種相続証明書を法定相続人ご本人が取得する場合

郵送で、法定相続人ご本人が被相続人の除籍謄本などを取得する場合、次の書類を郵送します。
各市区町村のホームページに案内があります。

  1. ご自分の戸籍謄本コピーなど被相続人との関係が分かるもの(相続関係が複雑な場合は相続関係説明図など)
  2. 身分証明書コピー(運転免許証、個人番号カード、写真付きのものでないときは健康保険証、年金手帳など2点)
  3. 証明請求書:各役所のホームページから「証明請求書」をダウンロードして印刷し、記入、押印します。印刷できない場合、適宜の用紙に記入、押印します。
  4. 定額小為替(例えば、除籍謄本:1通750円):現金で送ることができません。郵便局で、必要な金額の定額小為替を必要な枚数購入します。1枚200円の手数料がかかります。
    通常、被相続人の必要な除籍謄本を郵送請求する役所が何通発行してくれるのか、分かりませんので、定額小為替を多めに購入して郵送します。定額小為替が余った場合、郵便局は現金に換えてくれます。
    定額小為替を郵便局で購入する場合、郵便局に「手数料」を支払います。令和4年1月1日から定額小為替の手数料が、1枚当たり200円となりました。定額小為替には、50円、100円、200円、350円、450円、750円、1,000円の種類がありますが、これらのどれを郵便局で購入する場合であっても、1枚当たり200円です。
  5. 返信用の封筒(ご自分の宛名を記載します。郵便切手を多めに貼るか同封します。)

被相続人の除籍謄本の取得方法も参考にしてみてください。

被相続人の各種相続証明書の取得を司法書士に依頼する場合

法定相続人が、各種相続証明書の取得を司法書士に依頼する場合は、相続登記の依頼をすることが前提となります。
司法書士が法定相続人に代わって、各種相続証明書を取得することができるのは、「法律上の正当な理由」、すなわち、「相続登記をするため」という正当な理由に基づているからです。
したがいまして、単に、「相続手続」に必要だからという理由で、これら各種相続証明書の取得のみのご依頼に応じることができません。この場合は、各種相続証明書を取得することを依頼するという「委任状」が必要となります。

司法書士が、相続登記の依頼を受けた後は、相続登記に必要なため、という法律上の正当な理由がありますので、各種相続証明書の取得については、司法書士の職権、すなわち「職務上請求書」という司法書士会指定の用紙で、取得することができます。
すなわち、司法書士は、法定相続人からの特別の委任状をいただかなくても取得することができます。

当事務所では、被相続人の除籍謄本、改製原戸籍謄本、住民票の除票、除かれた戸籍の附票などの証明書は、取得の依頼があれば司法書士の職権で取得します。相続人の戸籍謄本や住民票は、基本的には依頼者にご用意いただいております。

次の証明書は、司法書士の職権で取得することができません。
それは、法定相続人の印鑑証明書と相続登記の不動産の評価証明書(固定資産税の評価価格が記載されたもの)です。

相続登記の不動産の評価証明書は、司法書士の職権で取得することができません。法定相続人からの委任状をいただく必要があります。
印鑑証明書は、通常、「印鑑カード」を役所に提示することにより取得します。委任状で取得することができません。

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