「定期借地権(賃借権)仮登記」と「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」の相続登記の方法
執筆者:司法書士 芦川京之助(横浜リーガルハート司法書士事務所)
「定期借地権(賃借権)仮登記」と「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」の相続登記の方法について解説します。
【相続登記相談】
登記記録(登記簿)に、権利者を父名義とする「定期借地権(賃借権)仮登記」と「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」が登記されています。
父は、すでに死亡し、父が死亡の際、母を相続名義人とする登記をしています。
今回、母も死亡したので、相続人の子である私名義(相続人は私一人)に登記したいと考えています。
どのように登記をしたらよいか教えてください。
土地・登記記録(登記簿)



事例では、次の登記がなされています。
平成○年○月○日
(1)定期借地権の賃借権設定仮登記:「権利者」が父
(2)「定期借地権の保証金を担保するための」抵当権設定登記:「抵当権者」が父
令和○年○月○日、父死亡により
(1)定期借地権の賃借権設定仮登記について「賃借権移転仮登記」:「権利者」が母
(2)「定期借地権の保証金を担保するための」抵当権設定登記について「抵当権移転登記」:「抵当権者」が母
事例の場合、登記名義人の母の死亡により、次の登記をする必要があります。
(1)定期借地権(賃借権)仮登記の相続登記
(2)「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」の相続登記
必要書類:定期借地権(賃借権)仮登記と「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」の相続登記
定期借地権(賃借権)仮登記と「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」は、どちらも相続を原因として登記しますので、次の書類を用意する必要があります。
被相続人 母について
(1)母の除籍謄本:出生から死亡までの除籍謄本全部
→「広域交付の方法」で取得することができます。
(2)母の「住民票」の除票:本籍・筆頭者の記載のあるもの
法定相続人 子(法定相続人は子1名)
(1)戸籍謄本
→「広域交付の方法」で取得することができます。
(2)住民票
登記申請書の作成:定期借地権(賃借権)仮登記と「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」の相続登記
次の2件の登記申請書を作成し、2件の連件で申請します。
定期借地権(賃借権)仮登記の相続登記
(1/2) 登記申請書(一部省略)
登記の目的 1番賃借権移転仮登記
原 因 令和〇年〇月〇日相続
権 利 者 (被相続人 母(氏名)○○)
(住所)○○
子(氏名)○○
(登記識別情報の発行を希望する。)
添付情報
登記原因証明情報
評価証明情報
令和〇年〇月〇日申請 ○○法務局 ○○出張所・支局 御中
課税価格 金○○円
登録免許税 金○○円(課税価格・評価価格の0・1%)
不動産の表示
所 在 ○○市〇町〇丁目
地 番 〇番地〇
地 目 宅地
地 積 ○○・○○平方メートル
(横浜地方法務局 横須賀支局で登記完了)
「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」の相続登記
(2/2) 登記申請書(一部省略)
登記の目的 2番抵当権移転
原 因 令和〇年〇月〇日相続
抵当権者 (被相続人 母(氏名)○○)
(住所)○○
子(氏名)○○
(登記識別情報の発行を希望する。)
添付情報
登記原因証明情報(前件添付)
令和〇年〇月〇日申請 ○○法務局 ○○出張所・支局 御中
課税価格 金○○円(債権額)
登録免許税 金○○円(債権額の0・1%)
不動産の表示
所 在 ○○市〇町〇丁目
地 番 〇番地〇
地 目 宅地
地 積 ○○・○○平方メートル
(横浜地方法務局 横須賀支局で登記完了)
完了後の登記記録(登記簿):定期借地権(賃借権)仮登記と「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」の相続登記
土地・登記記録(登記簿)



まとめ:定期借地権(賃借権)仮登記と抵当権の相続登記の方法
「定期借地権(賃借権)仮登記」と「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」が登記されている場合、その名義人である「権利者」・「抵当権者」が死亡した時は、これらについて相続登記をする必要があります。
この場合の相続登記の方法は、通常の所有権の相続登記と同様な書類(被相続人・相続人の戸籍除籍謄本など)を用意します。
登記申請書は、「定期借地権(賃借権)仮登記」と「定期借地権の保証金を担保するための抵当権」の相続登記について、別々に作成し、連件(1/2・2/2)で法務局に申請します。
相続登記や預貯金の相続手続、遺言書の作成については、当司法書士事務所にご相談ください。
相続登記や預貯金の相続手続、遺言書の作成について、当司法書士事務所にお気軽にお問い合わせください。
tel:045-222-8559 お問合わせ・ご相談・お見積り依頼フォーム
