被相続人名義の不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を台北駐日経済文化代表処で認証する方法

被相続人名義の不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を台北駐日経済文化代表処で認証する方法(台湾在住台湾人から日本在住の人に依頼する場合)

執筆者:司法書士 芦川京之助(横浜リーガルハート司法書士事務所)

被相続人名義の不動産登記事項証明書(登記簿謄本)を台北駐日経済文化代表処で認証する方法(台湾在住台湾人から日本在住の人に依頼する場合)について解説します。

【相談事例】
台湾人が台湾で遺産分割調停をするために、被相続人名義の日本の不動産登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、台北駐日経済文化代表処で認証するときの手続について、教えてください。

台湾人が台湾において遺産分割調停を行う際、日本に所在する被相続人名義の不動産や預金については、その権利関係を証明するために不動産の「登記事項証明書(登記簿謄本)」や預金の「残高証明書」を台湾の裁判所に提出する必要があります。
ただし、日本で発行された公文書や私文書を台湾の裁判所に提出する場合、そのままでは効力が認められず、所定の「領事認証」を経る必要があります。この領事認証を台北駐日経済文化代表処(台北駐大阪経済文化弁事処)で行います。

台湾在住の台湾人が、台湾から公文書の取得を日本に在住する人(代理人)に対し依頼する場合を前提に解説します。

台北駐日経済文化代表処で認証する「申請人と文書」の管轄(最重要)

台北駐日経済文化代表処(以下、「代表処」といいます。)で認証できる「申請人と文書」には、管轄があります。
この管轄については、次のサイトで確認してください。
各駐日代表処管轄範囲及び連絡先
公文書:不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)、戸籍除籍謄本など
私文書:預金の残高証明書など

例えば、東京在住の人(代理人)が認証申請できるのは、東京の代表処です。ほかの代表処で認証申請できません。
公文書、私文書ともに、例えば、大阪法務局発行の登記事項証明書、大阪府堺市発行の戸籍除籍謄本は、大阪の代表処(台北駐大阪経済文化弁事処)で認証申請しなければなりません。
このため、東京の代表処で認証申請するには、東京都内の法務局・役所が発行した登記事項証明書(オンライン申請・郵送請求)・戸籍除籍謄本(広域交付の方法:ただし、相続人本人でなければ取得できない)を取得する必要があります。
公文書であっても、戸籍除籍謄本は、事実上、本籍地の役所が発行するため、本籍地を管轄する代表処で認証申請しなければなりません。
私文書のうち、預金の残高証明書は、金融機関の支店が発行するため、支店所在地を管轄する代表処で認証申請しなければなりません。

台北駐日経済文化代表処で認証する手順

不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)(公文書)を認証する場合、次の手順で、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)(公文書)を認証します。

日本の不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)は、登記名義人が誰であっても、誰でも申請し取得できますが、代表処では、他人名義の記事項証明書(登記簿謄本)を認証申請できません。認証申請できるのは、名義人本人、名義人の相続人(その代理人)に限られます。
ここでは、預金の残高証明書を取得して認証する手続については省略します。なぜなら、手続が残高証明書の取得(これだけでも難しい作業)のほか、さらに、日本の公証役場での認証が必要となるからです。

台湾から次の書類を郵送してもらう

台湾から代表処での認証を代理人に依頼するため、次の書類を郵送してもらいます。
ただし、代表処(担当者)によって異なります。これらの書類がコピーでよいかどうかを確認する必要があります。代表処(担当者)によって言うことが異なります(特に、出向く人が日本人の場合、担当者の台湾人に強く言うことができない。)。パスポートコピーを除き原本を郵送してもらえば問題ありません。(それでもコピーを提出してみる。)

  1. 依頼人(相続人)の委任状(署名、実印で押印)
  2. 依頼人(相続人)の印鑑証明書(パスポートコピーがあるのに印鑑証明書を要求されることがある。)
  3. 依頼人(相続人)のパスポートコピー(印鑑証明書があるのにパスポートコピーを要求されることがある。)
  4. 相続人の戸籍謄本:相続人であることを証明
  5. 被相続人の除籍謄本:被相続人の死亡を証明
     相続人であることを証明する場合、親子、夫婦であれば、難しくはありませんが、兄弟姉妹が相続人となる場合、相続関係図の公証など、被相続人の相続人であることを証明する必要があります。
  6. 被相続人のパスポートなどコピー(本来不要だが、あれば提出)

不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得

次に、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を代表処の管轄の法務局が発行したものを取得します。

管轄の代表処で不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)の認証申請

管轄の代表処で不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)の認証申請をします。
予約が必要なところと必要がない代表処があります。
次の書類を持参します。コピーできるものはコピーも持参します。
次のサイトでご確認ください。
個人名義の認証

  1. 認証申請書:代理人が記入、署名する。
  2. 代理人の写真付き身分証明書(パスポートまたは運転免許証)とコピー
  3. 認証してもらう不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)とコピー
  4. 依頼人(相続人)の委任状(署名、実印で押印)
  5. 依頼人(相続人)の印鑑証明書
  6. 依頼人(相続人)のパスポートコピー
  7. 相続人の戸籍謄本:相続人であることを証明
  8. 被相続人の除籍謄本:被相続人の死亡を証明
  9. 被相続人のパスポートなどコピー
  10. 認証手数料(現金を持参):1部当たり2,300円(2026年現在、東京、横浜)

認証書類の受取り

取得(郵送または出向いて受取り)まで約1週間

まとめ:被相続人名義の不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を台北駐日経済文化代表処で認証する方法(台湾在住台湾人から日本在住の人に依頼する場合)

被相続人名義の不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を台北駐日経済文化代表処で認証する手続(台湾在住台湾人から日本在住の人に依頼する場合)については、次の点に注意する必要があります。

  • 代表処で認証できる人(代理人)や文書の管轄
     管轄する代表処が認証できる文書は、管轄区域内で発行された文書に限られます。
  • 代表処に提出する添付書類
     相続関係によっては、相続証明書の事前確認が必要です。代表処(担当者)により言うことが異なります。何度も代表処に出向くことになります。
  • 予約の有無の確認
  • 手数料:1部当たり2,300円
  • 認証申請から取得までの日数:約1週間(郵送または出向いて受取り)

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