遺産分割協議の成立後に相続人が死亡した場合

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遺産分割協議の成立後に相続人が死亡した場合

相続が開始して遺産分割協議を行い、協議が成立した後、この協議に参加した相続人が亡くなった場合の相続登記手続きについて

事例
被相続人がAさん
法定相続人がBさん、Cさん
Cさん死亡後の法定相続人が、配偶者Dさんと子である未成年者Eさんの場合

被相続人Aさんについて、法定相続人Bさん、Cさんが遺産分割協議をし、Bさんが遺産を相続するという内容の遺産分割協議が成立し、この協議書を作成しました。

この協議書には、Bさん、Cさんが署名、実印を押印しています。
この遺産分割協議書を作成した後、Cさんが亡くなりました。
Cさんの法定相続人は、配偶者Dさんと子である未成年者Eさんです。

この事例では、すでに遺産分割分割協議が成立していますので、改めて遺産分割協議をやり直す必要がありません。
遺産分割協議が成立しますと、その効力は、被相続人Aさんが亡くなった時点まで遡って効力を生じますので、相続人Bさんが遺産を相続取得することに確定しています。

したがって、すでに権利(所有権など)が確定していますので、改めて遺産分割協議をやり直す必要がありません。

相続登記(不動産名義変更)については、
遺産分割協議書の作成当時、亡くなったCさんの印鑑証明書があれば、これを使用できます。
この印鑑証明書に有効期限はありません。
この場合、亡くなったCさんの法定相続人である配偶者Dさんと子である未成年者Eさんに、別途、署名、押印は必要ありません。

Cさんの印鑑証明書がない場合は、配偶者Dさんと未成年者Eさんに、別の書面に、署名、実印の押印が必要になります。

これは、遺産分割協議書には、法定相続人全員の印鑑証明書の添付が必要だからです。
すくなくとも、遺産を相続しないCさんの印鑑証明書は必要になります。
ですが、亡くなったCさんの印鑑証明書がない場合は、配偶者Dさんと子である未成年者Eさんに、別の書面に、署名、実印の押印が必要となります。

亡くなった人の印鑑証明書を改めて取得することはできません。ある人が亡くなった場合、役所に死亡届けを提出します。死亡届を提出しますと、死亡した旨が戸籍と住民票に記載されます。住民票は印鑑登録と連動していますので、住民票に死亡が記載されますと、印鑑登録も抹消されることになり、結果、印鑑証明書を取得できなくなります。

ここで、問題は
〇 Cさんは亡くなっていますので、改めて遺産分割協議書を作成する必要はあるでしょうか。
 ↓
すでに権利(所有権など)が確定していますので、改めて遺産分割協議をやり直す必要がありません。すでに作成している遺産分割協議書を使用します。

〇 亡くなったCさんの印鑑証明書がない(添付できない)場合、これに代わる書類を添付する必要があるでしょうか。
 ↓
配偶者Dさんと子である未成年者Eさんの書面が別途、必要になります。
これは、遺産分割協議の成立によってBさんが相続取得することになったことを証する書面(事実の証明)を作成します。

この証明書に、配偶者Dさんの署名と実印の押印、子である未成年者Eさんの代わりに親権者としてDさんの署名と実印の押印をします。
この証明書は、事実を証明するだけですので、親権者Dさんと子である未成年者Eさんとの間で利益相反行為(親と子の利益が相反すること)にはなりません。
したがいまして、未成年者Eさんについて特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立てる必要もありません。

これが、遺産分割協議が成立しているけれども、遺産分割協議書を作成しないうちに、Cさんが亡くなった場合でも、同様に考えます。
遺産分割協議は成立していますので、遺産分割協議の結果、Bさんが相続取得したということの証明書(事実の証明)を作成します。その他は、上記と同様です。

実際、相続登記を申請した際、申請先の登記所から、上記の内容とは異なる指摘を受けましたが、結果は、上記の内容で登記が完了しています。
申請先の登記所の最初の考え方は、亡くなったCさんの配偶者Dさんと子である未成年者Eさんとは利益相反行為となるので、特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立てる必要があるという考え方でした。

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