- 相続登記・相続手続における海外在住日本人の在留証明書(在留証明)とサイン拇印証明書(署名証明)の取得方法
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相続登記・相続手続における海外在住日本人の在留証明書(在留証明)とサイン拇印証明書(署名証明)の取得方法
執筆者:司法書士 芦川京之助(横浜リーガルハート司法書士事務所)
相続登記・相続手続における海外在住日本人の在留証明書(在留証明)とサイン拇印証明書(署名証明)の取得方法について解説します。
在留証明書(在留証明)とサイン拇印証明書(署名証明)とは
在留証明願と証明書が一体

サイン拇印証明書(署名証明)(形式2:単独型)

在留証明書(在留証明)とサイン拇印証明書(署名証明)とは、海外在住の日本人が、海外の在外公館:日本大使館・領事館で取得します。
「署名証明」のことを、一般的に「サイン拇印証明書」と言っています。この「署名証明」で、サイン(署名)と「拇印」を証明します。

サイン拇印証明書(署名証明)は、サイン(署名)のみの証明発行を請求することもできますが、ほとんどの場合(特に、拇印を必要としない事情がない限り)、サイン(署名)と拇印、両方の証明書を発行してもらいます。
● 在留証明書(在留証明)は、日本国内で取得する「住民票」に代わるものです。
● サイン拇印証明書(署名証明)は、日本国内で取得する「印鑑証明書」に代わるものです。
次を参照してください。
外務省:在外公館における証明
海外の日本大使館・領事館の一覧
在留証明書とサイン拇印証明書の使用目的
在留証明書とサイン拇印証明書は、次の手続などで使用します。
相続登記(相続による不動産名義変更)
相続登記(相続による不動産名義変更)では、
● 在留証明書(在留証明):相続人の住所証明書として使用します。
● サイン拇印証明書(署名証明):遺産分割協議書(や上申書)に添付する印鑑証明書として使用します。
預貯金など相続手続
預貯金など相続手続では、
● 在留証明書(在留証明):相続人の住所証明書として使用します。
● サイン拇印証明書(署名証明):遺産分割協議書(や誓約書)に添付する印鑑証明書として使用します。
不動産の登記名義人住所変更登記
不動産の登記名義人住所変更登記では、
● 在留証明書(在留証明):登記名義人の住所変更証明書の一部として使用します。
● サイン拇印証明書(署名証明):上申書(住所の経過を証明できないとき)に添付する印鑑証明書として使用します。
登記名義人の住所変更登記では、在留証明書を取得する場合、次の二種類があります。
● 現在の住所のみを記載したもの
● 外国で住所が変更した場合、その外国内の住所変更の経過が記載されたもの
売買など所有権移転登記
● 買主(権利者):在留証明書(在留証明)を住所証明書として使用します。
● 売主(義務者):在留証明書(在留証明)を住所証明書として使用します。
サイン拇印証明書(署名証明)を印鑑証明書として使用します。
在留証明書(在留証明)
在留証明願と証明書が一体

在留証明書(在留証明)取得のポイントは、次のとおりです。
海外在住日本人が居住している場所を管轄する在外公館(日本大使館・領事館)で取得します。オンラインで取得することもできます。
次のページを参照してください。
(例)ロサンゼルス領事館:在留証明
在留証明書の取得要件
● 日本に住民登録がない海外在住日本人
● 現に日本国籍を有する人
すでに日本国籍を離脱・喪失した人(戸籍に日本国籍喪失の記載がある)は、取得できない。
● 現地ですでに3か月以上滞在し、現在居住していること。
ただし、申請時に滞在期間が3か月未満であっても、今後3か月以上の滞在が見込まれる場合には取得できます。

二重国籍者については、外務省のホームページに、「二重国籍者を含む」と記載されていますが、実際には、在留証明書・サイン拇印証明書を取得できない在外公館(日本大使館・領事館)が多いようです。この点について在外公館(日本大使館・領事館)に確認した方がよいでしょう。
(事例)
アメリカ・ニューヨーク総領事館では、二重国籍者は、在留証明書を取得できない(2025年)
フランス(一部の領事館)では、二重国籍者は、在留証明書・サイン拇印証明書を取得できない(2026年)
在留証明書を取得するときの必要書類
- 日本国籍を有していること・本人確認ができる書類(有効な日本国旅券等)
- 住所を確認できる文書(例:現地の官公署が発行する滞在許可証、運転免許証、納税証明書、公共料金の請求書等で住所の記載があるもの、現地の警察が発行した居住証明等)
- 滞在開始時期(期間)を確認できるもの。また、滞在期間が3か月未満の場合は、今後3か月以上の滞在が確認できるもの(賃貸契約書、公共料金の請求書等)
手数料
1通につき約1,200円
サイン拇印証明書(署名証明)
サイン拇印証明(署名証明)の申請書

サイン拇印証明書(署名証明)(形式2:単独型)

サイン拇印証明書(署名証明)取得のポイントは、次のとおりです。
次のページを参照してください。
(例)ロサンゼルス領事館:サイン拇印証明書(署名証明)
サイン拇印証明書の取得要件
● 日本に住民登録をしていない海外在住日本人
● 日本国籍を有する人
● 在外公館(日本大使館・領事館)へ、直接、出向く必要があります。。
申請者の署名と拇印が確かに領事の面前でなされたことを証明するものです。
領事の面前で署名と拇印を行う必要があるため、申請する方本人が、在外公館へ直接、出向いて申請することが必要です。オンライン申請、代理申請や郵便申請はできません。
サイン拇印証明書を取得するときの必要書類
日本国籍を有していること・本人確認ができる書類(有効な日本国旅券等)
サイン拇印証明書は、2種類:「形式1型」と「形式2型」あります。
- 「形式1型」は、私文書を証明文と合綴したもの
申請者が領事の面前で署名した私文書を綴り合わせて、領事が割り印を行うもの
「形式1型」の綴り合わせによる証明を希望する場合、「署名・拇印すべき書類」を在外公館に持参します。
「署名・拇印すべき書類」に、事前に署名・拇印をしないで在外公館に持参します。署名・拇印は、領事の面前で行います。 - 「形式2型」は、申請者の署名拇印を単独で証明するものです。
手数料
1通につき約1,700円
相続登記・預貯金など相続手続に使用する在留証明書(在留証明)とサイン拇印証明書(署名証明)
不動産の相続登記や預貯金など相続手続では、在留証明書とサイン拇印証明書を次のように使用します。
● 在留証明書(在留証明):相続人の住所証明書として使用します。
● サイン拇印証明書(署名証明):遺産分割協議書(や上申書・誓約書)に添付する印鑑証明書として使用します。
相続人が海外在住日本人1名の場合
法定相続人が海外在住日本人1名の場合、ほかに相続人がいませんので、相続人の住所証明書として在留証明書(在留証明)を取得します。
遺産分割協議書は必要ありませんので、サイン拇印証明書(署名証明)は、基本的に必要ありませんが、念のため、「形式2」(単独証明)のサイン拇印証明書(署名証明)も取得した方がよいでしょう。
相続人が海外在住日本人1名の場合であっても、サイン拇印証明書(署名証明)が必要となる場合があります。
被相続人の出生から死亡までの除籍謄本を取得できない(保存期間の経過、火災による焼失など)場合、「上申書」を法務局に提出します。
この「上申書」には、署名・拇印をしますので、サイン拇印証明書(署名証明)が必要となります。
相続人が2名以上で、そのうち1名が海外在住日本人の場合
相続人が2名以上で、そのうち1名が海外在住日本人の場合、相続人間の遺産分割協議で相続名義人を決める場合には、遺産分割協議書を作成します。
この遺産分割協議書に、海外在住日本人が署名・拇印しますので、サイン拇印証明書(署名証明)が必要となります。
海外在住日本人が、次の書類を用意します。
- 在外公館(日本大使館・領事館)が証明した遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印):「形式1型」
- 海外在住日本人が署名・拇印した遺産分割協議書(在外公館の証明文のない)
- 在留証明書(在留証明)
- サイン拇印証明書(署名証明):「形式2型」(単独証明)
海外在住日本人が遺産分割協議書に署名・拇印する場合、次の二通りの方法があります。
- 在外公館の証明文(サイン拇印証明書の形式1型)のある遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)= 在外公館の証明文と遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)が綴じられているもの
- 在外公館の証明文(サイン拇印証明書の形式1型)のない遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)= 在外公館の証明文と遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)が綴じられていないもの
相続登記では、申請する法務局によっては、「在外公館の証明文のない遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)= 在外公館のサイン拇印証明書と遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)が綴じられていないもの」では、認めないことがあります。
そこで、次のように、二種類を用意した方がよいでしょう。
- ① 在外公館の証明文のある遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)= 在外公館の証明文(サイン拇印証明書の形式1型)と遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)が綴じられているもの
② 在留証明書 - ① 在外公館の証明文のない遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)= 在外公館の証明文と遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)が綴じられていないもの
② 在留証明書
③ サイン拇印証明書(形式2型)

相続登記では、申請する法務局によっては、「在外公館の証明文のない遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)= 在外公館のサイン拇印証明書と遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)が綴じられていないもの」では、認めないことがあります。
過去の事例では、「在外公館のサイン拇印証明書と遺産分割協議書(海外在住日本人が署名・拇印したもの)が綴じられていないもの」であっても、登記が完了したことがあります。(2025年 宇都宮地方法務局 大田原支局で登記完了)
距離的・時間的な問題などで、在外公館に出向くことができない場合:サイン拇印証明書に代わるもの(外国公証人による認証)
在留証明書は、一般的にオンラインで申請・取得できますので、基本的には、在外公館に出向くこともありません。
ところが、サイン拇印証明書は、在外公館に必ず出向く必要があります。
これは、サインと拇印することが、大使・領事の面前ですることが条件だからです。
このため、距離的・時間的な問題や身体の問題などで、在外公館に出向くことができない場合は、法務局(金融機関など)では、次の方法も認めています。
現地の公証人の認証文のある遺産分割協議書(海外在住日本人が署名(サイン)したもの)= 現地の公証人の認証文と遺産分割協議書(海外在住日本人が署名(サイン)したもの)が綴じられているもの
相続登記の遺産分割協議書であれば、遺産分割協議書(アメリカの場合は、英文と日本語)を現地の公証人に持参し、公証人の面前で署名(サイン)し、公証人の認証文を付けてもらいます。
これで、相続登記に使用することができます。(2025年 東京法務局 杉並出張所で登記完了)
まとめ:不動産登記における海外在住日本人の在留証明書(在留証明)とサイン拇印証明書(署名証明)の取得方法
海外在住日本人の在留証明書(在留証明)とサイン拇印証明書(署名証明)を取得する場合、これらの使用目的によって、その違いがありますので、これらを申請する在外公館(日本大使館・領事館)のホームページで、また、在外公館に問い合わせをして、よく確認した方がよいでしょう。
一般的には、海外在住日本人が在外公館(日本大使館・領事館)に出向くことは、距離的・時間的な問題などがありますので、こういった意味でも、よく確認してから、これらを申請・取得した方がよいでしょう。
相続登記や預貯金の相続手続、遺言書の作成については、当司法書士事務所にご相談ください。
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