外国人が所有権の登記をするときの氏名:ローマ字で氏名を併記する(令和6年4月1日から)

外国人が所有権の登記をするときの氏名:ローマ字で氏名を併記する(令和6年4月1日から)

執筆者:司法書士 芦川京之助(横浜リーガルハート司法書士事務所)

基本的には、

  • 日本在住の外国人の場合:住民票に記載されている「ローマ字氏名(アルファベットの氏名)」で併記する。
  • 海外在住の外国人の場合:パスポートに記載されている「ローマ字氏名(アルファベットの氏名)」で併記する。

アダム・スミス(ADAМ SMITH)

現状、登記名義人の氏名を登記するときは、漢字(名がひらがなの場合はひらがな)またはカタカナで登記します。
現状、日本国内に在住して住民票のある外国人は、住民票に記載されている漢字またはカタカナで登記します。
現状、日本国内に住民票のない外国人は、漢字またはカタカナで登記します。中国・台湾の方は、本国の公的書類に記載されている漢字で登記します。
中国・台湾以外の方は、本国の公的書類に記載されている氏名をカタカナに置き換えて登記します。

令和6年4月1日から、外国人(日本在住・海外在住を問わず)が相続登記や、売買による不動産の所有権の名義変更登記をするときは、漢字またはカタカナに加え、ローマ字氏名(アルファベットの氏名)を併記する(氏名に括弧を付してローマ字氏名を併記する方法)ことになりました。

不動産登記規則(ローマ字氏名の併記)
第百五十八条の三十一 次の各号に掲げる登記を申請する場合において、当該各号に定める者が日本の国籍を有しない者であるときは、当該登記の申請人は、登記官に対し、当該各号に定める者の氏名の表音をローマ字で表示したもの(以下この款において「ローマ字氏名」という。)を申請情報の内容として、当該ローマ字氏名を登記記録に記録するよう申し出るものとする。

不動産登記規則 | e-Gov法令検索

ローマ字氏名(アルファベットの氏名)を併記しなければならない外国人がする登記

ローマ字氏名を併記する登記とは
 所有権の登記名義人に関する登記に限定される。
 所有権の登記名義人以外の者の氏名には併記できない。
外国人とは
 日本国籍を有しない自然人
 外国法人には適用されない。

併記するローマ字氏名は、次の表示方法で記載する。

  • ローマ字以外の文字又は記号による表示は認めない。
  • ローマ字氏名は、原則として全て大文字で表示する。
  • ローマ字氏名の氏と名の間にはスペースを付すこととし、「・(中点)」等の記号による区切りは認めない。
  • ローマ字氏名は、登記記録に記録された氏と名の順に従って表示するものとする。
  • 母国語による所有権の登記名義人の氏名に「Ⅲ」、「Ⅳ」又は「Ⅸ」等のローマ数字が含まれる場合には、当該ローマ数字について「I」「V」又は「X」等のローマ字を組み合わせて表示することができる。

添付情報(法務局に提出する書類)

外国人を所有権登記名義人とする登記申請書には、ローマ字氏名(氏名の表音をアルファベット表記したもの)を記載します。さらに、添付情報(法務局に提出する書類)として、ローマ字氏名を証する書面を法務局に提出する必要があります。

ローマ字氏名を証する書面

日本在住の外国人住民票(ローマ字氏名が表記されている場合)

これ以外の外国人(海外在住)

  • パスポートがある場合
    ローマ字氏名が表記されたページが含まれている旅券の写しであって、次の(1)から(3)までを満たすもの。
    (1)登記申請の受付の日において有効な旅券の写しであること。
    (2)ローマ字氏名並びに有効期間の記載及び写真の表示のあるページの写しが含まれていること。
    (3)旅券の写しに原本と相違がない旨の記載及び登記名義人となる者等の署名又は記名押印がされていること。
     ↓
    パスポートをコピーして、「原本と相違がない旨」と「署名又は記名押印」をします。
  • パスポートがない場合
    登記名義人となる者等のローマ字氏名、当該ローマ字氏名が当該者のものであることに相違ない旨及び旅券を所持していない旨が記載された当該者の作成に係る上申書であって、当該者の署名又は記名押印がされているもの。
     ↓
    上申書を作成して、「署名又は記名押印」をします。

ローマ字氏名併記の登記

日本国内在住の外国人の登記(ローマ字氏名併記)

日本国内在住の外国人の登記(ローマ字氏名併記)
日本国内在住の外国人の登記(ローマ字氏名併記)

海外在住の外国人の登記(ローマ字氏名併記と国内連絡先)

海外在住の外国人の登記(ローマ字氏名併記と国内連絡先)
海外在住の外国人の登記(ローマ字氏名併記と国内連絡先)

海外在住の外国人については、ローマ字氏名を併記するほか、「国内連絡先」も登記します。
これについては、海外在住日本人の「日本国内における連絡先となる人」の登記の方法(令和6年4月1日施行)を参考にしてください。これは、海外在住の外国人にも適用されます。
住所証明書については、外国に居住する外国人(外国籍)の住所証明情報(住所証明書)を参考にしてください。

相続登記や預貯金の相続手続については、当司法書士事務所にご相談ください。

相続登記や預貯金の相続手続について、当司法書士事務所にお気軽にお問い合わせください。
tel:045-222-8559 お問合わせ・ご相談・お見積り依頼フォーム

相続登記相談風景(イメージ)
相続登記相談風景(イメージ)

「相続登記相談事例など」に戻る

タイトルとURLをコピーしました