相続登記で自分が申請人にならなかったときは

この記事は約3分で読めます。

相続登記で自分が申請人にならなかったときは

相続が開始し、相続人のうちの一人から、あるいは、官公署または第三者の代位(債権者代位権)によって、法定相続(法定相続分)で登記がされる場合があります。

法定相続登記は、法定相続人のうちの一人から申請することができます。(民法の保存行為として)

これは、民法252条但書の規定で、共有物の管理に関する事項のうち保存行為は、それぞれの共有者が単独ですることができる、という規定があるからです。

(共有物の管理)第二百五十二条 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

民法 | e-Gov法令検索

普通、法定相続の場合であっても法定相続人全員が申請人となります。

法定相続人の間で争いがあるなど特別の場合に、法定相続人のうちの一人が、とりあえず相続登記(法定相続分で登記)をしておこう、というときにすることができます。

このときの問題が、相続登記は完了しているけれども、その権利証(現在は「登記識別情報通知」が発行されます。)がどうなるのか、という問題があります。

相続人全員が申請人になる場合は、相続人全員の印鑑が必要になり、これを登記申請書や司法書士に依頼するときの委任状に押印します。
これによって、相続人全員に個別に権利証(登記識別情報通知)が発行されます。

これに対して、相続人全員が申請人にならないで法定相続で登記を申請した場合、申請人になった相続人にだけ個別に権利証(登記識別情報通知)が発行されます。申請人とならなかった相続人には、権利証(登記識別情報通知)が発行されません。

官公署または第三者の代位(債権者代位権)によって、法定相続(法定相続分)で登記がされる場合があります。
この場合、権利証(登記識別情報通知)が一切発行されませんので、相続人全員が権利証(登記識別情報通知)を持たないことになります。

例えば、相続税の納付が遅れた場合の税務署(財務省)による差押があるとき、税務署が滞納処分による差押をしようとするときは、相続登記がされていなければ、税務署が相続人に代わって(代位して)法定相続分による相続登記をしてしまいます。

こういうときは、権利証(登記識別情報通知)が発行されません。

その後に、相続人の間で遺産分割が成立して、これに基づいて登記したときは、権利証(登記識別情報通知)が発行されますが、その前に法定相続分で登記されたものについては、権利証(登記識別情報通知)が再発行されませんので、その不動産全体の権利証がない状態が半永久的に続くことになります。

こういう状態で、その後に、売却や銀行の担保権設定をするときは、別の手続きである登記所からの事前通知、公証人役場での本人確認あるいは司法書士による本人確認情報の作成という方法により補完することになります。登記識別情報については、こちらを参考にしてください。

「相続登記相談事例など」に戻る

tel:045-222-8559 お問合わせ・ご相談・お見積り依頼フォーム