横浜市都筑区の相続登記(相談)

横浜市都筑区の相続登記(相談):共有者の相続登記と行方が分からない人の登記の方法

【事例】
相続登記する不動産は、横浜市都筑区の土地・建物。
名義人は、相談者・依頼者とその父・母、前配偶者の4名が各4分の1持分で共有。
父と母は、すでに死亡している(父➡母の順番で死亡)。前配偶者の行方が分からない。

相続登記と行方が分からない人の登記の手順

相談者・依頼者は、母の死亡を受けて、横浜市都筑区の土地・建物の名義を整理したいと考えています。
そこで、死亡した父と母についての相続登記をします。
前配偶者の行方が分からないので、前配偶者に連絡を取って、前配偶者の持分を相談者・依頼者名義としたいと考えています。
どういう手順・方法で行ったらよいでしょうか。
相続登記と前配偶者の件を同時並行的に進めます。

相続登記

被相続人父と母の相続登記は、相続人が相談者・依頼者本人1名のため、法定相続での登記となります。

被相続人父と母の相続登記

登記名義人が父と母で別々に登記されていますので、登記も別々に申請します。
父➡母の順番に死亡していますので、これを法定相続分で登記しますと、次のようになります。
まず、登記名義人の父(持分4分の1)について登記します。

(1)登記の目的 父持分全部移転
   原   因 〇年〇月〇日相続
   相 続 人 (被相続人)
         (住所)横浜市都筑区○○
         持分8分の1
          (亡)
         (住所)横浜市都筑区○○
         持分8分の1
          依頼者本人

(1)の登記をすることにより、母の持分が4分の1と8分の1を合わせて、8分の3となります。母のこの持分8分の3について、依頼者本人が相続しますので、次のように登記します。
1/4=2/8ですので、2/8+1/8=3/8となります。

(2)登記の目的 母持分全部移転
   原   因 〇年〇月〇日相続
   相 続 人 (被相続人)
         (住所)横浜市都筑区○○
         持分8分の3
          依頼者本人

相続登記に必要な戸籍除籍謄本・住民票(除票)

相続登記に基本的に必要な書類は、相続登記の必要書類を参考にしてください。

父・母名義の相続登記(法定相続で)
(1)被相続人父と母の出生から死亡までの除籍謄本
    ➡ ほかに子がいないことを証明します。
(2)被相続人父と母の住民票(死亡時の住民票)または戸籍の附票
(3)相続人依頼者本人の住民票

行方が分からない人の登記

前配偶者の行方が分からないので、その行方を探すところから始ます。
幸にも、前配偶者の行方が分かりましたので、その前配偶者と打ち合わせをします。
前配偶者は、依頼者本人と直接、打ち合わせやその後の書類のやり取りをしたくない意向ですので、当司法書士事務所が対応することとなりました。

前配偶者との打ち合わせ

前配偶者が持っている持分4分の1を依頼者本人に名義変更(持分移転登記)する根拠(登記の原因)を検討します。

前配偶者は、依頼者本人から金銭を受け取ることを希望しておらず、名義変更に協力する意向ですので、金銭の授受を伴わない方法を検討します。また、前配偶者は、自分がなんらかの金銭的な負担をしたくないという意向です。

登記の原因を「財産分与」で検討

前配偶者と依頼者本人は、離婚していますので、離婚後の名義変更として、まずは、財産分与による名義変更(持分移転登記)でよいかどうかを検討します。

離婚による財産分与で名義変更の問題点

通常、前配偶者の持っている持分を移転登記する場合、離婚後に登記することになりますので、財産分与を登記原因とするのが自然です。
ただし、不動産を離婚による財産分与で譲渡する場合、譲渡する人には譲渡所得税の問題があります。

一般的に、不動産を譲渡(売却)する時の価格が、不動産を取得(買った)した時の価格よりも高い場合、譲渡所得税がかかる可能性があります。「譲渡したことによって得た利益」があったとみなされます。
これは、離婚による財産分与で譲渡する場合にも適用されます。
今回の譲渡では、この「譲渡したことによって得た利益」があります。

ただし、この譲渡所得税は、譲渡する不動産が「居住用の不動産(譲渡する人が住んでいた)」であるときは、「譲渡したことによって得た利益」が3,000万円以内であれば、譲渡所得税がかからないのが原則です。
ただし、この特例は、住まなくなってから3年以内に譲渡することが必要です。

前配偶者は、「住まなくなってから」3年以上経過していますので、この特例が適用されません。

結局、離婚による財産分与で名義変更することになれば、前配偶者には譲渡所得税がかかることになりますので、離婚による財産分与で名義変更することは避けたいところです。

登記の原因を「贈与」で検討

そこで、次に、登記の原因を「贈与」でするかどうかを検討します。
「贈与」で名義変更(持分移転登記)をするときは、「贈与税」の問題があります。
これは、「贈与によって持分の移転を受ける受贈者」である依頼者本人にかかる税金です。

贈与税の計算(贈与税の申告が必要です。)
土地路線価+建物評価価格=合計:1,000万円
前配偶者の持分4分の1を贈与で取得
1,000万円×1/4=250万円
250万円-110万円(基礎控除額)=140万円
140万円×10%=14万円(贈与税)

この結果、依頼者本人には贈与税:14万円がかかることになります。贈与税の申告と納税が必要となります。
依頼者本人に以上の内容を伝えて、「贈与」によって前配偶者の持分を移転登記することにしました。

贈与で持分移転登記

前配偶者の住所が変更していますので、贈与による登記の前に「住所変更登記」をします。

(3)登記の目的 所有権登記名義人住所変更
   原   因 〇年〇月〇日住所移転
   変更後の事項
         共有者前配偶者の住所
         (住所)○○
   申 請 人 (住所)○○
          前配偶者

(4)登記の目的 前配偶者持分全部移転
   原   因 〇年〇月〇日贈与
   権 利 者 (住所)横浜市都筑区○○
         持分4分の1
          依頼者本人
   義 務 者 (住所)○○
          前配偶者

登記完了後の持分計算

以上の登記が完了しましたので、依頼者本人の合計持分を計算します。
(1)元から持っていた持分:4分の1
(2)父から相続した持分:8分の1
(3)母から相続した持分:8分の3
(4)前配偶者から贈与をされた持分:4分の1

依頼者本人は、共有持分を4回に分けて取得しましたので、共有者ではなく「所有者」となります。このことを確認します。
1/4+1/8+3/8+1/4 = 2/8+1/8+3/8+2/8 = 8/8 = 1

この計算で所有権全部を持っていることが確認できました。
なお、いわゆる「権利証(登記済権利証と登記識別情報通知)」は、4回登記した際に発行された「権利証」4件分で所有権全部の「権利証」となります。

以上、相続登記と贈与登記をまとめて4件で申請します。

相続登記と行方が分からない人の登記でかかった費用

相続登記費用
司法書士報酬:約60,000円
登録免許税・証明書:約50,000円

贈与登記費用
司法書士報酬:約60,000円(住所変更登記を含む)
登録免許税・証明書:約50,000円

横浜市都筑区の相続登記や相続については、当司法書士事務所にご相談ください。

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