相続登記(不動産名義変更)の司法書士の選び方
相続登記(不動産名義変更)や、その他登記手続をお客様に代わってするのが、司法書士の業務です。
相続登記やその他の登記は、ご本人でもご自分で登記申請できますが、より確実に速やかに登記申請から登記完了まで代行するのが司法書士です。
司法書士は相続登記の専門家として
司法書士は、相続登記手続の専門家として、 相続登記申請書類が、登記所(不動産の名義登録をする役所)の審査を通るように確認します。また、相続登記が完了した時点で、登記申請した内容が正しく「登記記録情報」に記載されているかどうかも含めて、申請前の書類の確認、登記申請、登記完了まで一括して責任をもって代行します。
司法書士が国家資格登録者として、登記の専門家と言われるゆえんです。
申請書類の事前段階として、相続登記申請書をはじめ、これに添付する書類も登記所の審査をスムーズに通るように、例えば、相続関係説明図、遺産分割協議書、委任状など相続登記申請に必要な書類の作成、チェック、戸籍謄本などの相続証明書のチェックも同様に重要です。
このようなことはもちろんのこと、登記手続の専門家(国家資格登録者)である司法書士は、常に、実体と登記手続きが合致するように考えながら、また、税法上の問題も考えながら、場合によっては、税理士や税務署相談室に問い合わせをして業務を行っています。
不動産の登記については、相続登記手続も含めて、登記手続の専門家(国家資格登録者)である司法書士に依頼されるのがベストな選択である理由の一つです。
【相続登記の難易度】相続登記を自分ですることは可能でしょうか。を参考にしてください。
司法書士が行う本人確認・意思確認
法定相続による相続登記、遺産分割による相続登記ともに、法定相続人全員の法定相続の意思確認、あるいは、遺産分割協議の意思確認をさせていただきます。遺言による場合は、遺言により実際相続される方だけです。
司法書士は、不動産登記手続きを他の資格登録者より専門に行う国家資格者ですから、当然、より厳格なコンプライアンス(法令順守)を自らに課しています。
ご本人確認やご本人の意思確認は、どなたにとっても気持ちのよいものではありません。
ですが、例えば、相続登記が完了し、その後、不動産を売却をするときには、買主様からの信用は絶大なものになります。買主様から信用されて、気持ちよく買っていただくことができます。
基本的なところを説明します。
登記記録(登記簿)に記載されていることは、本当に信用できるでしょうか。
日本では、登記された内容を信じて取り引きをしたすべての人の権利が保護されるわけではありません。
例えば、相続登記の場合でいえば、Aさん・Bさん2人の法定相続人いて遺産分割協議でAさんが不動産すべてを相続した、というときで、実際、BさんはAさんと遺産分割協議をしていなかったとき、Aさん名義の相続登記は、Aさんの法定相続分を除いて、無効な登記、ということになります。
この登記された状態で、Aさんが第三者Cさんに不動産を売却し、所有権の登記がされた場合、Cさんは、Bさんの法定相続分については無権利者であるので、Bさんの持分をBさんに返さなければなりません。
その持分に対応する代金は、Aさんに、返せ、と請求することになります。
結果、裁判になり、Cさんは、自分が全部の所有権を持っていると思っていたところ、実際、一部持っていなかった、ということになります。
このようなことは、頻繁に起きているわけではありませんが、登記記録(登記簿)に記載されていることを信じて取り引きをした人の権利が、すべて保護されるわけではない以上、きちんと行う必要があります。
権利証または登記識別情報は、その後の登記申請の際、これらを持っていることにより、登記名義人ご本人であることを証明する一つの書類にすぎません。
これらは、登記された内容が、本当に実体を伴った法律行為などによってなされたかどうかを証明するものではありません。
後々、問題が起きないように万全の策を講ずる必要があります。ですから、当事者ご本人の確認、意思確認が必要なのです。
相続登記と司法書士を選ぶポイント(基準・選び方)
相続登記を司法書士に依頼する場合、登記の完了ということについては、どこの司法書士事務所に依頼しても、結果は、ほぼ同じです。
ただし、相続登記の場合は、一般の方がご自分でできる比較的簡単な登記から、登記の専門家でも難しい、難易度の高いものがあります。難易度の高い相続登記をスムーズに完了できるかどうかは、その司法書士によって異なります。
また、登記の相談、依頼から最終的な完了書類の受領までの過程では、登記費用も含めて司法書士事務所ごとに違いがあります。
そこで、相続登記を司法書士事務所に依頼される場合のポイント(基準)を列挙してみます。
相続登記を司法書士事務所に依頼される場合、その事務所がどういう対応をとるのか、を確認してから依頼されるのがよいでしょう。
- 相談や依頼をする場合、電話、メール、面談など、司法書士事務所がどれで対応するのか
- 相談や依頼をする場合 司法書士本職が対応するのか、事務員が対応するのか
- 相談は、どの程度の範囲(知識・経験のレベル)で司法書士が応ずるのか
- 質問に対して即答できるのか、あるいは、後で調べてから答えるのか
- 登記費用(司法書士報酬と実費(登録免許税など))の見積書を作成するのか
- 登録免許税の計算書を作成するのか
- 登記申請を電子申請(インターネット申請)で行うのか
(電子申請で行う場合、登記完了後に登記所から発行される「登記完了証」には、登録免許税の額など登記申請書の内容が記載されます。) - 登記費用は、良心的か
- 登記費用は、相続の難易度に応じて、適切か
進捗状況のお知らせは、特に重要です。なぜなら、登記の依頼から完了まで1か月、あるいは、案件の難易度が高いほど数か月を要することがありますので、1週間または2週間に1度は、進捗状況のお知らせを当事務所では行っております。 - 相続登記を依頼する場合、戸籍証明書など書類の「預り証」を司法書士事務所が発行するのか
- お客様と司法書士事務所とのやり取りなど、相続登記のスケジュールを分かりやすく説明するのか
- 司法書士事務所がお客様に、手続の進行状況をその都度、報告するのか
- 登記申請後、司法書士事務所が、「登記申請・受領書」または「登記申請・受け付けのお知らせ」を郵送またはメールしてくれるのか
(登記申請・受領書」または「登記申請・受け付けのお知らせ」は、登記申請の際、登記所が登記の申請を受け付けた書面です。)
相続登記・遺産相続手続と「かかりつけ司法書士」を参考にしてください。
相続登記と預貯金の相続手続を専門家に依頼した方がよいのかの基準(報酬)
【遺産相続手続費用】相続登記と預貯金相続手続の費用(報酬)は、いくらが適正価格なのか?を参考にしてください。