相続放棄申述(申立)ができないときの相続分譲渡

相続放棄申述(申立)ができないときの相続分譲渡

【相続登記相談:相談日は、令和4年12月10日】
相続関係図に記載のとおり、祖母が令和4年9月1日死亡し、相続人の長女から祖母死亡の手紙を、代襲相続人の孫長女が令和4年12月1日郵送受領しました。
孫長女としては、祖母の遺産相続について相続するつもりはなく、また、遺産相続にかかわりたくないと考えています。
そこで、孫長女としては、家庭裁判所の相続放棄(申述申立て)をしたいと考えています。
相続放棄(申述申立て)をすれば、孫長女が遺産相続にかかわる必要がないでしょうか。
現在、土地Aは、祖父単独名義のままです。
現在、土地Bは、祖母名義です。

遺産分割協議の内容は、次のとおりです。

祖父名義の土地は、これを売却して、法定相続分に応じて売却代金を分配する(換価分割)。
祖母名義の土地は、孫長男が相続する。
祖母名義の預貯金は、法定相続分に応じて分配する。

相続放棄申述(申立)ができるかどうかを検討

孫長女の父が、祖父と祖母の死亡前に、すでに死亡していますので、祖父と祖母の相続について、孫長女は、祖父と祖母の直接の相続人(代襲相続人)(第1順位の相続人)です。
孫長女は、相続放棄(申述申立て)ができる相続人ということが、一応いえます。

孫長女は、相続放棄申述(申立)をしたいと考えていますので、まず、相続放棄申述(申立)ができるかどうかを検討します。

相続放棄申述(申立)の基本は、被相続人の死亡を知った日から3か月以内に家庭裁判所に相続放棄申述の申立をする必要があります。

孫長女が、相続人の長女から祖母死亡の手紙を受取った日が令和4年12月1日であるので、この日に被相続人祖母の死亡を知ったことになります。
孫長女が相続放棄申述の申立をするのであれば、令和5年3月1日までに家庭裁判所に相続放棄申述の申立をすればよいことになります。
ここまでであれば、問題なさそうです。

今回の遺産分割協議では、祖母の相続のほかに、平成25年に死亡した祖父の相続登記も含んでいます。祖父名義の土地の相続登記をしていませんでした。

そこで、平成25年に死亡した祖父の死亡を知った日によっては、祖父の相続放棄申述の申立ができるかどうかによりますが、孫長女は、祖父の死亡したことを、すでに知っていたので、祖父について相続放棄申述の申立はできないことになります。

祖父死亡時点での相続人は、配偶者の祖母、長女と二女、孫(代襲相続人)の長男と長女です。祖父の相続人が配偶者だけではありません。

結局、孫長女は、祖母についての相続放棄申述の申立はできるが、祖父についての相続放棄申述の申立はできないことになります。

祖父所有名義の土地について、孫長女は、遺産分割協議にかかわる必要がありますので、祖母だけの相続放棄申述の申立だけをするというのが、どうかというところです。

そこで、孫長女が、祖父と祖母の遺産相続にかかわらなくてすむ方法がほかにあるかどうかを検討します。

この相続関係図のように、孫長女の父が、仮に、祖父と祖母の死亡した後に、死亡している場合(父の死亡日が令和4年12月10日であれば)、孫長女は、父についての相続放棄申述申立をすれば、祖父と祖母の相続について、遺産相続にかかわることはなかったことになります。

相続分譲渡による方法

前述のとおり、孫長女は、祖母についての相続放棄申述申立だけでは、完全に遺産相続にかかわらない、ということでが言えません。そこで、相続分譲渡の方法を検討します。

この相続分譲渡は、孫長女が有する相続分を他の相続人(または第三者)に包括的に譲渡することをいいます。
孫長女の相続分を孫長男(第1順位の相続人)に包括的に譲渡すれば、孫長女は、遺産相続にかかわる必要がなくなります。祖父・祖母には、債務の問題はないようですので、相続分譲渡の方法でよいと思われます。

相続分譲渡については、次を参考にしてください。
相続分の譲渡(注意点:基本は相続の同順位同士で)

孫長女が、相続分の譲渡をする場合、孫長男に「相続分譲渡証明書(印鑑証明書付き)」を渡すことになります。
これにより、孫長男は、孫長女の相続分を譲渡されたので、その分、孫長男の相続分が増えることになります。
遺産分割協議は、相続人(第1順位の相続人)の長女と二女、孫長男の三名で行い、遺産分割協議書を作成します。相続登記では、法務局に、相続登記の必要書類として、孫長女の戸籍謄本と「相続分譲渡証明書(印鑑証明書付き)」を提出します。

相続分譲渡では、次の問題がありますので、注意をする必要があります。
安易に考えてはいけない相続分譲渡を参考にしてください。

相続分譲渡証明書の見本

相続譲渡証明書の見本は、次のとおりです。

      相続分譲渡証書(見本)

被相続人  (氏名)○○
最後の本籍 ○○
生年月日  〇年〇月〇日
死亡日   〇年〇月〇日

甲は、乙に対し、被相続人○○の相続について、甲の相続分全部を譲渡し、乙はこれを譲り受けた。

令和〇年〇月〇日

譲渡人(甲)
住所
氏名         (実印)(印鑑証明書付き)

譲受人(乙)
住所
氏名         (認印)

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