遺産分割協議書のハンコ代(相続相談)

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遺産分割協議書のハンコ代(相続相談)

遺産分割協議において、法定相続人のうちの一人が遺産全部を取得する場合、ほかの法定相続人に対して、遺産分割協議書に署名と実印の押印をしてもらい、印鑑証明書を用意してもらう必要があります。

この場合、ほかの法定相続人に対して、なんらかの金銭を渡す必要がありますか、という問題です。

金銭のやり取りなしで、遺産分割協議書に実印の押印と印鑑証明書を用意してくれる場合もあれば、金銭のやり取り、すなわち、いわゆるハンコ代というものを渡す必要がある場合があります。

ほかの相続人に対して、例えば、数百万円といった高額を支払う必要がある場合は、「代償分割」と言って、遺産分割協議書に「相続人の誰が遺産を取得する代わりに、ほかの相続人に金○○円を支払う。」という内容を遺産分割協議書に記載する場合があります。
これについては、代償分割による相続登記を参考にしてください。

ここでは、一般的にいわれているハンコ代について、説明いたします。
ハンコ代の相場、というものは、ありますか?
 
基本的には、ハンコ代の相場について、この金額、というものがありません。

仮に、ハンコ代というものがあるとすれば、この金額は、次のことを考慮して、相対的な金額となります。

  1. 相続財産の価格
  2. 相続財産を誰が相続するか、暗黙のうちに決まっていた
    (長男が相続することが想定されていたなど)
  3. 均等分割で相続することが想定されていた
  4. 実際に相続する人の財力
  5. 他の相続人の財力
  6. 他の相続人の人柄、性格
  7. その他

仮に、長男の相続取得が想定されていたのであれば、ハンコ代は、均等に提示、交渉したほうがよいと思います。
均等な金額は、法定相続人の人数で均等な金額ということになります。
例えば、法定相続人が4名いれば、実際に相続する人を除いて、3名分に均等な金額とします。

そのうえで、実際に相続する人が3名に出せる金額を決定します。
この金額であれば、相続人が納得するであろう金額です。
これは、実際にお金を出せる「相続する人」が決めるしかありません。
法定相続人1名当たり1万円から順に、納得するであろう金額を考えていきます。
金額を提示、交渉するときは、ほかの法定相続人3名に均等に支払うこととしていることを話します。

ハンコ代については、ほかの相続人に均等に支払わなかった場合、もし仮に、実際、Aさんには10万円、Bさんには30万円、Cさんには20万円支払った場合は、後々、Aさんから「私は10万円しか受け取らなかった。」ということで、トラブルの原因となってしまうかもしれないからです。
また、例えば、相続人のうちの一人が、実印の押印と印鑑証明書の提供を躊躇している場合、「ほかの相続人全員はハンコ代10万円で納得してもらっています。」と文書にして相手に示せば、比較的納得してもらえると思います。

過去、当事務所が取り扱ったことでは、次の例があります。

  • 相続財産が駐車場のみ、価格が200万円、相続人が4名(被相続人の兄弟姉妹)の場合、相続人3名に30万円ずつハンコ代としました。
  • 相続財産が共有の土地と建物、価格が1000万円、相続人が4名(被相続人の養子・甥)の場合、相続人3名に10万円ずつハンコ代としました。

このように、相続財産の価格とハンコ代が同じ割合になるということはなく、相続人との関係(親密度の程度、人柄など)で、ハンコ代を支払う人が、まずは、相手がどのくらいの金額であれば納得してくれるのかを検討することになると思います。

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