相続登記の場合の代位による分筆登記

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相続登記の場合の代位による分筆登記

分筆登記というのは、一個の土地を数個に分割する登記のことをいいます。
一個の土地を複数の共有者で所有している場合、共有者全員が分筆登記の申請人になります。
共有者の一人で分筆登記を申請することができないのが基本です。
土地の分筆登記は、国家資格登録者の土地家屋調査士が代理して申請します。
司法書士は、権利に関する登記の専門家なので、この分筆登記については代理して申請することができません。権利に関する登記は、例えば、所有権、賃借権、抵当権などの権利です。相続による所有権移転登記は、典型的な例です。

ところで、相続の問題で、相続人の間で土地を相続する場合、この土地を分けて相続したいというときは、この土地を分筆登記して、それぞれの相続人が、例えば、Aの土地は甲の所有に、Bの土地は乙の所有に、というように、分筆登記と所有権の移転登記をする必要があります。
通常、遺産分割協議で、誰がどの土地を取得するかを決めて、遺産分割協議書(分筆図面を付ける)を作成します。

この土地を分割することの合意も含めて、具体的に、どういう線で分割するかという合意ができない場合など、家庭裁判所に遺産分割の調停を申立てます。
この遺産分割の調停で、Aの土地は甲の所有に、Bの土地は乙の所有に、ということが土地の分割を含めて成立すると、分筆登記をした後、相続による所有権移転登記をすることになります。
したがって、遺産分割の調停をしているときに、分筆する図面を家庭裁判所に提出する必要があります。
分筆する図面を提出するということは、土地家屋調査士にその土地を測量してもらう必要があります。

単に測量するだけでは足りません。分筆登記をするということは、道路査定や隣接地との境界が確定していることが必要です。最終的には登記をすることになりますので、測量と登記の専門家の土地家屋調査士に依頼することが必要です。

遺産分割の調停が成立した後、分筆登記をするときには、法定相続人全員が登記の申請人、法定相続人全員の署名、捺印が必要になります。

もし、分筆登記に協力しない法定相続人がいる場合は、その相続人に代位して分筆登記をすることになります。
これは、遺産分割の調停が行われる前にすでに、法定相続人名義での相続による所有権移転登記がされている場合も同様に、分筆登記に協力しない相続人がいる場合は、その相続人に代位して分筆登記をすることになります。

代位による登記の場合、代位原因を証する書面を登記所に提出する必要があります。
上記の例では、分筆図面の付いた遺産分割の調停調書が代位原因証書となります。

また、遺言書で、Aの土地は甲に相続させる、Bの土地は乙に相続させる、という遺言書がある場合、乙が分筆登記に協力しないとき、甲は、乙に代位して分筆登記を申請することができます。
この場合の代位原因証書は、遺言書ということになります。
当然のことながら、遺言書には、分筆の図面が付いていなければなりません。

なお、分筆図面は、実際に登記所で分筆登記ができるものでなければなりません。例えば、公道との境で道路査定がなされていない場合、分筆図面を作成する前段階で、道路査定を完了する必要があります。また、隣接地の所有者との境界画定が必要な場合は、隣接所有者の承諾書も必要となります。

過去には、こういう事例もあります。例えば、時効取得の裁判で確定した、時効取得した土地の図面と判決文で登記したい、ということがありました。土地家屋調査士と検討した結果、道路査定がされていない、かつ、隣接地所有者との境界画定がされていない、単なる測量図では分筆登記ができない、ということがあります。

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