相続登記と遺言書

この記事は約3分で読めます。

相続登記と遺言書

被相続人の作成した遺言書があった場合、これをどのように処理して、相続登記に使用できるでしょうか。

遺言書が自筆証書遺言書の場合

被相続人作成の遺言書が、自筆証書による遺言書の場合で、登記所の保管制度を利用しない遺言書の場合、すなわち、被相続人が生前、自書で、自分で遺言内容をすべて自分で書いたものである場合、これを相続登記に使用するには、まず、家庭裁判所での遺言書の検認手続(遺言書の確認手続)が必要となります。
自筆遺言書(自筆証書遺言書)の検認手続については、こちらを参考にしてください。

登記所の「自筆証書遺言書保管制度による遺言書」については、こちらを参考にしてください。
登記所の「自筆証書遺言書保管制度による遺言書」は、家庭裁判所での検認手続が不要です。

そこで、検認手続をする場合、検認手続の申立をする家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
遺言書の検認手続をするには、被相続人、法定相続人全員の戸籍謄本と住民票を提出する必要があります。

被相続人の除籍謄本は、被相続人の生まれた時点から亡くなった時点までのすべての戸籍の証明書(除籍謄本、改製原戸籍謄本)が必要となります。
これは、家庭裁判所が、法定相続人全員に対して、遺言書の検認手続の通知書を郵送する必要があるからです。
法定相続人全員の家庭裁判所での立会を必要としませんが、家庭裁判所としては、法定相続人全員に対して、通知書を郵送する必要があります。

その結果、法定相続人全員を特定する必要があることから、被相続人の出生まで遡って、戸籍の証明を用意します。

遺言書が公正証書遺言書の場合

被相続人の遺言書が、公正証書による遺言書の場合、すなわち、被相続人が生前、公証人役場で遺言書を作成した場合は、自筆証書遺言書のように、家庭裁判所の検認手続をする必要はなく、直ちに、相続登記に使用することができます。

遺言書に基づく相続登記の申請人

遺言書の内容が、法定相続人の一部の人に「相続させる。」と記載されている場合、この法定相続人が単独で、他の法定相続人の協力を得ることなく、自分で申請人として相続登記をすることができます。(相続人の単独申請)
また、令和1年7月1日以降に作成された遺言書に基づいて、相続登記を申請する場合、遺言書で指定された遺言執行者にも登記申請権限があります。(遺言執行者の単独申請)

これに対し、遺言書の内容が、「遺贈する。」と記載されている場合は、基本的に、法定相続人全員の協力がなければ、遺贈による登記をすることができません。(受遺者と相続人全員での共同申請)
ですが、遺言書の内容に、遺言を執行する遺言執行者を誰にするかの指定がある場合は、この遺言執行者の協力を得て、遺贈による登記をすることができます。(受遺者と遺言執行者での共同申請)

遺言書に遺言執行者の指定が記載されていない場合で、他の法定相続人全員の協力が得られそうもない場合は、遺言書の利害関係人として、家庭裁判所に、遺言執行者の選任の申立をすることによって、遺贈による登記をすることができます。

誰々に「遺贈する。」という遺言書を作成する場合、必ず遺言執行者を指定しておいた方がよいでしょう。そうすれば、相続手続をスムーズに行うことができます。

「相続登記相談事例など」に戻る

tel:045-222-8559 お問合わせ・ご相談・お見積り依頼フォーム