横浜市泉区の相続登記(相談)

横浜市泉区の相続登記(相談):「遺贈の放棄の方法」と法定相続(代襲相続)による相続登記の方法

【相談事例】
被相続人:祖母
法定相続人:死亡した長男(子)の子(孫)の2名

【遺産】
不動産:横浜市泉区のマンション(築70年)

【事情】
平成15年、祖母は、公証役場で公正証書遺言書を作成し、祖母所有の横浜市泉区のマンション(築70年)を祖母の甥(兄弟姉妹の子)に遺贈するという遺言をしていました。

祖母には、配偶者の夫と子の長男一人がいましたが、そのどちらも祖母の生前に死亡していましたので、祖母としては、祖母の兄弟姉妹の子(甥)にマンション(横浜市泉区)を遺贈したいという意向で公正証書遺言書を作成しました。

ところが、遺贈された受遺者(じゅいしゃ)の甥が、遺贈を受けたくないということで、祖母の法定相続人である孫(代襲相続人)に連絡をしてきました。

遺贈の放棄:遺贈の放棄はできるのか?

遺贈とは、遺言書で推定相続人以外の人に遺産をあげることをいいます。
まず、推定相続人以外の人が受遺者の場合、受遺者が遺贈を放棄できるのか、という問題があります。

民法(遺贈の放棄)
第九百八十六条 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。
2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

民法 | e-Gov法令検索

この規定により、受遺者は遺贈を放棄できることになります。

遺贈を放棄する受遺者がする「遺贈放棄の方法」

相談事例では、受遺者の甥が、代襲相続人の孫に遺贈を放棄するという連絡をしてきましたので、法律上、遺言の効力が失効し、遺産であるマンション(横浜市泉区)の相続権は、孫二人にあることになります。
孫二人としては、甥が遺贈を放棄するので、これが後々問題とならないように考える必要があります。

民法(遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し)
第九百八十九条 遺贈の承認及び放棄は、撤回することができない。

民法 | e-Gov法令検索

この規定により、遺贈の放棄をしますと、後日、撤回できませんので、これを確かなものとする必要があります。甥が遺贈を放棄したという証拠書類を残しておく必要があります。

遺贈放棄証書の作成

代襲相続人の孫から放棄する甥に、次の文書に署名・実印を押印し、印鑑証明書を付けてもらいます。これらの書類を孫が保管しておきます。

遺贈放棄証書の内容は、次のとおりです。

〇年〇月〇日付○○法務局所属公証人○○作成による公正証書において、被相続人○○(〇年〇月〇日生、〇年〇月〇日死亡)より、後記不動産を私に遺贈する、と記載されておりますが、この遺贈を放棄します。
不動産の表示
 横浜市泉区のマンション(敷地権あり)

相続登記の方法

受遺者の甥の遺贈放棄が確定したことにより、マンション(横浜市泉区)の相続権は代襲相続人の孫二人にありますので、相続登記をすることになります。
代襲相続については、こちら→第1順位の子がすでに亡くなっている場合(代襲相続)を参考にしてください。
代襲相続人の孫二人は、これを法定相続分で登記したいとのことですので、遺産分割協議書を作成することなく、相続登記を行います。

相続登記に必要な戸籍除籍謄本・住民票(除票)

相続登記に基本的に必要な書類は、相続登記の必要書類を参考にしてください。
相談事例では、次の書類を用意します。

  1. 被相続人祖母の出生から死亡までの戸籍関係書類(除籍謄本・改製原戸籍謄本)
  2. 被相続人祖母の死亡時の住民票除票(本籍地記載)(または戸籍の附票)
  3. 祖母の長男の出生から死亡までの戸籍関係書類(除籍謄本・改製原戸籍謄本)
  4. 孫二人の戸籍謄本と住民票

相続登記申請の内容

法定相続分での相続登記の方法を参考にしてください。
祖母名義の相続登記(一部省略)

登記の目的 所有権移転
原   因 平成25年〇月〇日相続(日付は祖母の死亡日)
相 続 人(被相続人 祖母○○)
     (住所)横浜市泉区○○
     持分2分の1
     (氏名 孫長男)○○
     (住所)横浜市泉区○○
     持分2分の1
     (氏名 孫長女)○○
課税価格  金5,000,000円
登録免許税 金20,000円
不動産の表示
 横浜市泉区のマンション(敷地権あり)

登記の申請先法務局:横浜市泉区を管轄する登記所は、横浜地方法務局戸塚出張所

相続関係説明図

相続登記完了後の権利証(登記識別情報)

相続登記が完了しますと、新たな名義人となった孫長男と長女には、登記識別情報通知(権利証)がそれぞれ1枚ずつ発行されます。相続登記の完了後に発行される登記識別情報とは、どういうものですか。を参考にしてください。

相続登記にかかった費用

相続登記費用
司法書士報酬:約60,000円(遺贈放棄証書作成を含む)
登録免許税・証明書:約30,000円
合計:約90,000円

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