横浜市鶴見区の相続登記(相談)

横浜市鶴見区の相続登記(相談):相続放棄の申立てと法定相続による登記の方法

【事例】
被相続人:母
法定相続人:姉(長女)、弟(長男)の2名

【遺産】
不動産:横浜市鶴見区の自宅(土地と建物に姉が居住)
    横浜市鶴見区のアパート(土地と建物)
債務:アパートの建築費用(残債務):2,000万円
預貯金:1,000万円

相続人の長男は、被相続人母の遺産を放棄して、姉に遺産全部を相続させたいと考えました。
どういう方法で手続をしたらよいでしょうか。

相続税申告・納税の有無を検討

相続人の弟が遺産全部を放棄したいという意思があったとしても、このことにより相続税が高額となる場合は、放棄をやめた方がよいと思われますので、まずは、相続税申告・納税の有無を検討する必要があります。

姉が遺産全部を相続する場合、相続税の申告の必要があるのか、その納税の必要があるのかを検討します。

遺産の評価額を検討

土地は路線価で、建物は固定資産税評価価格で計算します。

横浜市鶴見区の自宅(土地と建物):3,000万円
横浜市鶴見区のアパート(土地と建物):4,000万円
預貯金:1,000万円
債務:アパートの建築費用(残債務):(-)2,000万円

遺産の総額:6,000万円
基礎控除額:3,000万円+(600万円×2)=(-)4,200万円
小規模宅地の特例:(-)2,200万円
遺産の総額:6,000万円-控除額:6,400万円=-400万円

相続放棄した人も、基礎控除額の人数に加えることができます。
No.4152 相続税の計算【国税庁】
(基礎控除額の計算では)法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。

以上の計算により、相続税の申告は必要(小規模宅地の特例を適用するため)ですが、納税の必要がないことになります。
このことにより、相続人の弟が遺産全部を放棄することが可能となります。

相続税については、相続税の主な内容を参考にしてください。

アパートの建築費用の残債務について

アパートを建築した時に、銀行から借り入れた債務があります。この債務を担保するために横浜市鶴見区の自宅とアパートに抵当権が設定登記されています。
債務者は、被相続人の母であるので、抵当権の債務者として母が登記されています。
相続登記で姉名義に変更した場合、抵当権の債務者を姉とする抵当権変更登記をする必要があります。

この抵当権変更登記をするには、銀行との債務者変更契約で、債務者を姉1名とする免責的債務引受契約をする必要があります。
この場合、銀行との免責的債務引受契約では、相続人の姉と弟で契約書に署名・実印の押印(印鑑証明書付き)が必要となります。

弟が相続放棄の申述をしなければ、弟もアパートの債務を承継することになります。
この場合、弟が債務を免れるためには、銀行の承諾が必要となります。
弟は、銀行との免責的債務引受契約をすることによって、債務を免れることになります。

弟が相続放棄の申述ができれば、弟は初めから相続人とはならなかったことになりますので、銀行との変更契約で弟の署名・実印の押印をする必要がなくなります。
弟は、相続放棄の申述ができれば、銀行の承諾なく債務を免れます。

相続放棄は、法定相続人の子が2名いて、そのうちの1名が相続放棄をする場合に、今回の相続登記が可能となります。これが、法定相続人の子が1名で、この1名が相続放棄をしてしまいますと、被相続人には初めから相続人の子がいないことになってしまい、被相続人の親が、親がいないときは兄弟姉妹が相続人となりますので、相続放棄した場合、誰が相続人となるのかを確認した方がよいでしょう。

相続放棄申述の申立て

前述の内容から、弟が相続放棄をしても、相続税の納税をする必要がないこと、アパートの債務について銀行との変更契約に関わることもありません。
このことから、弟が相続放棄の申述をした方が、その後の手続の煩わしさがないことで、まずは、相続放棄の申述をします。

家庭裁判所に相続放棄申述の申立てをします。被相続人の最後の住所が横浜市鶴見区なので、横浜家庭裁判所に申立てます。

相続放棄申述に必要な書類・手順は、相続放棄の申述(申立方法)を参考にしてください。

相続放棄申述の手続が完了しますと、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が郵送されます。これを相続登記に使用します。改めて、相続放棄申述受理証明書を取得する必要はありません。

相続登記の方法

相続放棄により弟は、初めから相続人ではなかったことにより、姉1名が相続人となります。
相続登記は、姉1名の法定相続で登記することになります。
登記の目的 所有権移転
原   因 〇年〇月〇日相続
相 続 人 (被相続人 母)
      (住所)横浜市鶴見区○○
      (氏名)長女○○
登記の申請先法務局:横浜市鶴見区を管轄する登記所は、横浜地方法務局神奈川出張所

法務局に提出する弟に関する書類は、相続放棄申述受理通知書と戸籍謄本です。弟が本来の相続人である(戸籍謄本で証明)が、相続放棄したことを証明します。
その他、相続登記に基本的に必要な書類は、相続登記の必要書類を参考にしてください。

相続放棄申述申立てと相続登記にかかった費用

相続登記費用
司法書士報酬:約90,000円(相続放棄申述申立費用を含む)
登録免許税・証明書:約60,000円
合計:約150,000円

相続登記完了後、前述のアパートの抵当権債務者変更登記をすることになります。
しかし、この変更登記をせずに、ほかの銀行で「債務(建築ローン)の借り換え」をすることになりました。この方が残債務の利息を減らすことができる(借入れ利率が低くなる)からです。

横浜市鶴見区の相続登記や相続については、当司法書士事務所にご相談ください。

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