相続登記申請書:「不動産の表示」の書き方

相続登記申請書:「不動産の表示」の書き方

相続登記の申請書には、「不動産の表示」を記載します。「不動産の表示」は、不動産が、土地のみ、建物のみ、土地と建物、マンション(敷地権の登記があるかどうか)によって書き方が異なります。
それぞれの場合の「不動産の表示」の書き方について解説します。
なお、相続登記申請書には「不動産番号」を書かないといけませんか?を参考にしてください。

土地1筆の不動産の表示

登記記録情報(登記事項証明書)の「表題部」に記載されているとおりに記載します。

不動産の表示(例)
 不動産番号  ○○○○○○(← 書かなくても問題ない)     
 所   在  横浜市○○区○○町○丁目
 地   番  〇番〇
 地   目  宅地
 地   積  ○○・○○平方メートル(または㎡)

不動産番号を記載しない場合は、「不動産番号」そのものを記載しません。

土地2筆(以上)の不動産の表示

不動産の表示(例)
 不動産番号  ○○○○○○(← 書かなくても問題ない)    
 所   在  横浜市○○区○○町○丁目
 地   番  〇番〇
 地   目  宅地
 地   積  ○○・○○平方メートル(または㎡)
        この価格 金○○円(← 評価価格を記載)

 不動産番号  ○○○○○○(← 書かなくても問題ない)
 所   在  横浜市○○区○○町○丁目
 地   番  〇番〇
 地   目  宅地
 地   積  ○○・○○平方メートル(または㎡)
        この価格 金○○円(← 評価価格を記載)
        租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税

不動産番号を記載しない場合は、「不動産番号」そのものを記載しません。
土地が2筆以上あるときは、「この価格 金○○円」を土地ごとに記載します。
土地が1筆のときは、「この価格 金○○円」を記載する必要がありません。
土地が非課税となる場合は、「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載します。
相続登記と登録免許税の非課税(土地評価価格100万円以下)(令和7年(2025年)3月31日まで)を参考にしてください。 

建物1棟の不動産の表示

登記記録情報(登記事項証明書)の「表題部」に記載されているとおりに記載します。

不動産の表示(例)
 不動産番号  ○○○○○○(← 書かなくても問題ない)
 所   在  横浜市○○区○○町○丁目 〇〇番地〇〇   
 家屋番号   〇〇番〇〇
 種   類  居宅 
 構   造  木造スレート葺2階建
 床 面 積  1階 ○○・○○平方メートル
        2階 ○○・○○平方メートル

不動産番号を記載しない場合は、「不動産番号」そのものを記載しません。

建物2棟(以上)の不動産の表示

不動産の表示(例)
 不動産番号  ○○○○○○(← 書かなくても問題ない)
 所   在  横浜市○○区○○町○丁目 〇〇番地〇〇   
 家屋番号   〇〇番〇〇
 種   類  居宅 
 構   造  木造スレート葺2階建
 床 面 積  1階 ○○・○○平方メートル
        2階 ○○・○○平方メートル 
        この価格 金○○円(← 評価価格を記載)

 不動産番号  ○○○○○○(← 書かなくても問題ない)
 所   在  横浜市○○区○○町○丁目 〇〇番地〇〇   
 家屋番号   〇〇番〇〇
 種   類  居宅 
 構   造  木造スレート葺2階建
 床 面 積  1階 ○○・○○平方メートル
        2階 ○○・○○平方メートル 
        この価格 金○○円(← 評価価格を記載)

不動産番号を記載しない場合は、「不動産番号」そのものを記載しません。
建物が2棟以上あるときは、「この価格 金○○円」を建物ごとに記載します。
建物が1棟のときは、「この価格 金○○円」を記載する必要がありません。

土地と建物の不動産の表示

登記記録情報(登記事項証明書)の「表題部」に記載されているとおりに記載します。

不動産の表示(例)
 不動産番号  ○○○○○○(← 書かなくても問題ない)
 所   在  横浜市○○区○○町○丁目
 地   番  〇番〇
 地   目  宅地
 地   積  ○○・○○平方メートル(または㎡)
        この価格 金○○円(← 評価価格を記載)

 不動産番号  ○○○○○○(← 書かなくても問題ない)
 所   在  横浜市○○区○○町○丁目 〇〇番地〇〇   
 家屋番号   〇〇番〇〇
 種   類  居宅 
 構   造  木造スレート葺2階建
 床 面 積  1階 ○○・○○平方メートル
        2階 ○○・○○平方メートル 
        この価格 金○○円(← 評価価格を記載)

不動産番号を記載しない場合は、「不動産番号」そのものを記載しません。
土地と建物があるときは、「この価格 金○○円」を土地と建物にそれぞれ記載します。

マンション(敷地権の登記あり)の不動産の表示

敷地権の登記のあるマンションとは、1棟の建物が区分所有されており、建物の「表題部」に土地の表示が記載されているものをいいます。土地の登記記録には、所有者として記載されず、所有権敷地権の旨の登記がされるだけです。

土地の登記記録

登記記録情報(登記事項証明書)の「表題部」に記載されているとおりに記載します。
次を参考にしてください。
ケース3 相続不動産:マンション(敷地権付)の申請書(書き方)
保土ケ谷グリーンタウンC棟(相続登記申請書の書き方)

不動産の表示(例)
一棟の建物の表示
  所   在  横浜市保土ヶ谷区藤塚町 37番地16
  建物の名称  保土ケ谷グリーンタウンC棟
専有部分の建物の表示
  不動産番号  ○○○○(← 書かなくても問題ない) 
  家屋番号   藤塚町 37番16の○○
  建物の名称  C-○○○
  種   類  居宅
  構   造  鉄筋コンクリート造1階建
  床 面 積  〇階部分 ○○・○○平方メートル
         この価格 金○○○○円
敷地権の表示
  符   号  1
  所在及び地番 横浜市保土ヶ谷区藤塚町37番13
  地   目  宅 地
  地   積  1592・12平方メートル
  敷地権の種類 所有権
  敷地権の割合 ○○○○分の○○○○
         この価格 金○○○○円(一つの土地全体の評価価格×敷地権の割合)
         租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税

  符   号  2
  所在及び地番 横浜市保土ヶ谷区藤塚町37番16
  地   目  宅 地
  地   積  13406・94平方メートル
  敷地権の種類 所有権
  敷地権の割合 ○○○○分の○○○○
         この価格 金○○○○円(一つの土地全体の評価価格×敷地権の割合)

不動産番号を記載しない場合は、「不動産番号」そのものを記載しません。
土地が非課税となる場合は、「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載します。
相続登記と登録免許税の非課税(土地評価価格100万円以下)(令和7年(2025年)3月31日まで)を参考にしてください。

マンション(敷地権の登記なし)の不動産の表示

敷地権の登記のないマンションとは、1棟の建物が区分所有されており、建物の「表題部」に土地の表示が記載されていないものをいいます。
建物とは別に、土地の登記記録に共有者(持分)として記載されます。
ケース4 相続不動産:マンション(敷地権付でない)の申請書(書き方)を参考にしてください。

登記記録情報(登記事項証明書)の「表題部」に記載されているとおりに記載します。
「表題部(一棟の建物の表示)」に「建物の名称(マンション名)」が記載されている場合は、「建物の名称」を記載して、(一棟の建物の)「構造」「床面積」の記載を省略できます。
「表題部(一棟の建物の表示)」に「建物の名称(マンション名)」が記載されていない場合は、(一棟の建物の)「構造」「床面積」の記載を省略できません。

また、敷地権の登記のないマンションの場合、登記申請書を作成する場合、通常、建物と土地は、別々の申請書で作成し、連件で申請します。ケース4 相続不動産:マンション(敷地権付でない)の申請書(書き方)を参考にしてください。

登記記録情報に「建物の名称(マンション名)」が記載されているとき

不動産の表示(例)
一棟の建物の表示
  所   在  横浜市保土ヶ谷区藤塚町 37番地16
  建物の名称  保土ケ谷グリーンタウンC棟
専有部分の建物の表示
  不動産番号  ○○○○(← 書かなくても問題ない) 
  家屋番号   藤塚町 37番16の○○
  建物の名称  C-○○○
  種   類  居宅
  構   造  鉄筋コンクリート造1階建
  床 面 積  〇階部分 ○○・○○平方メートル

不動産番号を記載しない場合は、「不動産番号」そのものを記載しません。

登記記録情報に「建物の名称(マンション名)」が記載されていないとき

不動産の表示(例)
一棟の建物の表示
  所   在  横浜市保土ヶ谷区藤塚町 37番地16
  構   造  鉄筋コンクリート造陸屋根5階建て
  床 面 積  1階 ○○・○○平方メートル
         2階 ○○・○○平方メートル
         3階 ○○・○○平方メートル
         4階 ○○・○○平方メートル
         5階 ○○・○○平方メートル
専有部分の建物の表示
  不動産番号  ○○○○(← 書かなくても問題ない) 
  家屋番号   藤塚町 37番16の○○
  建物の名称  C-○○○
  種   類  居宅
  構   造  鉄筋コンクリート造1階建
  床 面 積   〇階部分 ○○・○○平方メートル

不動産番号を記載しない場合は、「不動産番号」そのものを記載しません。

土地(持分)の表示(例)

不動産の表示(例)
 不動産番号  ○○○○○○(← 書かなくても問題ない)    
 所   在  横浜市○○区○○町○丁目
 地   番  〇番〇
 地   目  宅地
 地   積  ○○・○○平方メートル(または㎡)
        持分○○○○分の○○○○
        この価格 金○○円(一つの土地全体の評価価格×持分)

 不動産番号  ○○○○○○(← 書かなくても問題ない)
 所   在  横浜市○○区○○町○丁目
 地   番  〇番〇
 地   目  宅地
 地   積  ○○・○○平方メートル(または㎡)
        持分○○○○分の○○○○
        この価格 金○○円(一つの土地全体の評価価格×持分)
        租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税

不動産番号を記載しない場合は、「不動産番号」そのものを記載しません。
土地が2筆以上あるときは、「この価格 金○○円」を土地ごとに記載します。
土地が1筆のときは、「この価格 金○○円」を記載する必要がありません。
土地が非課税となる場合は、「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載します。
相続登記と登録免許税の非課税(土地評価価格100万円以下)(令和7年(2025年)3月31日まで)を参考にしてください。 

マンションで附属の建物があるとき

マンションで、例えば、「電気室」「ポンプ室」「集会所」「管理人室」などの建物が、独立して登記されている場合は、これも登記します。

不動産の表示(例)
 所  在  横浜市保土ヶ谷区藤塚町 37番地16
 家屋番号  37番16の109
 種  類  集会所・管理人室
 構  造  鉄筋コンクリート造ルーフィング葺2階建
 床 面 積  1階 74・18平方メートル
        2階 48・00平方メートル
       持分○○○○分の○○○○
       この価格 金○○○○円

 所  在  横浜市保土ヶ谷区藤塚町 37番地16
 家屋番号  37番16の110
 種  類  電気室
 構  造  鉄筋コンクリート造陸屋根平家建
 床 面 積  6・12平方メートル
       持分○○○○分の○○○○
       この価格 金○○○○円

建物が2棟以上あるときは、「この価格 金○○円」を建物ごとに記載します。
建物が1棟のときは、「この価格 金○○円」を記載する必要がありません。

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