相続不動産の特定方法(マンション)

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相続不動産の特定方法(マンション)

相続登記(不動産名義変更)をする時、まずは、被相続人(亡くなった人)名義のマンションがどういう登記記録となっているのかを調べ、登記記録情報または登記事項証明書を取得します。取得しましたら、マンションの「所在」や「家屋番号」、「権利関係」などを明確にします。
そのうえで、遺産分割協議書を作成したり、登記申請書を作成することになります。

登記記録情報:インターネット経由で取得します。登記所の証明文はありません。手数料は1通334円。
登記事項証明書:インターネット経由または登記所で取得します。登記所の証明文があります。手数料は1通480円から600円。取得方法により異なります。

遺産分割協議書や登記申請書には、不動産の表示として、マンションの「所在」、「建物の名称(マンション名)」、「家屋番号」、「敷地権の表示」などを記載します。
マンションは、通常、被相続人の権利として、被相続人が所有する部屋(専有部分の建物)とマンションの土地の権利の割合がセットになっています。

マンションの家屋番号から登記記録情報または登記事項証明書を取得

そこで、まずは、登記記録情報または登記事項証明書を取得するために、マンションの登記上の「家屋番号」を特定することになります。
マンションの登記上の「家屋番号」は、住民票上の「住所」と異なり、「住所」が登記上の「地番」と異なることがほとんどですので(極稀に一致します)、登記上の「家屋番号」が何なのかを調べる必要があります。
相続の場合は、自分のことではなく、亡くなった人(被相続人)の所有不動産のことなので、余計に分かりにくいかもしれません。

登記上のマンションを特定する方法として次の方法があります。特定したうえで登記記録情報または登記事項証明書を取得します。

  • 権利証で確認する。
  • 固定資産税納税通知書で調べる。
  • 名寄帳で調べる。

敷地権付きマンションの場合

おおよそ2000年頃から現在までに建築されたマンションの場合、特定することはそれほど難しいことではありません。このようなマンション(敷地権付きマンション:建物と敷地が一体となっているマンション)の場合、普通、マンションの専有部分の登記記録情報または登記事項証明書を取得して、ほぼ特定できて終わりです。
登記所で登記事項証明書を取得する場合、登記所の証明係でマンションの「住所」を言えば、登記所の担当者がマンションの「家屋番号」を調べて教えてくれます。

この理由は、敷地権付きマンションの場合、専有部分(お部屋)の登記事項証明書を取得することによって、土地についての権利の種類と割合が、専有部分の登記記録に記載されているからです。
専有部分の建物に、土地についての権利事項が書かれていて、専有部分の建物と土地が一体となっていることから、これを「敷地権付きマンション」といいます。

厳密にいいますと、敷地権付きマンションの場合であっても、土地についての登記記録は存在しています。土地の登記記録には、「所有権敷地権」としてマンションの建物の「所在」や「建物の名称(マンション名)」が記載されています。普通は、建物だけ登記記録情報や登記事項証明書を取得しますが、一応念のために、土地の登記記録(登記記録情報や登記事項証明書)も確認したほうがよいでしょう。
なぜなら、土地の登記記録に敷地権を阻害する他の権利がないかを確認する必要があるからです。

敷地権付きではないマンションの場合

これに対して、おおよそ2000年より前に建築されたマンションでは、その当時、専有部分の建物と土地は、別々の登記簿で作られていたこともあり、特定することが困難な場合があります。
ただし、このようなマンションであっても、その後、登記所の職権で、専有部分の建物と土地を一体とする処置がとられたマンションは、敷地権付きマンションとなります。

ですが、現在でも、不動産登記法上、敷地権付きマンションにできないマンションもありますので、このような専有部分の建物と土地が一体となっていないマンションの場合、特定することが難しいときがあります。
こういうマンションを「敷地権付きでないマンション」といいます。

敷地権付きマンションと敷地権付きではないマンションを見分ける方法は、次のとおりです。
専有部分の建物の登記記録情報または登記事項証明書を取得すると分かります。

  • 敷地権付きマンション:専有部分の建物に「敷地権の表示」が記載されていて、「敷地権の種類」と「敷地権の割合」が記載されている。
  • 形式上、敷地権付きマンションの場合であっても、実質的に敷地権付きではないマンションの場合:専有部分の建物に「敷地権の表示」が記載されていない。(たまに、こういうマンションがあります。)
  • 敷地権付きではないマンションの場合:専有部分の建物に「敷地権の表示」が記載されていない。

敷地権付きでないマンションの場合、専有部分(お部屋)の建物と土地の登記記録が別々になっており、建物には所有者の権利の内容が記載され、土地にも共有者として権利の内容(共有者としての住所・氏名・持分や抵当権などがある場合は抵当権など)が記載されています。専有部分の建物と土地を関連付ける必要があります。

この場合、建物に抵当権が付いている場合は、比較的容易に特定できます。
建物の登記記録を共同担保目録付きで取得しますと、土地の表示(所在・地番)も書かれているからです。
これに対して、抵当権が付いていない場合は、慎重に確認する必要があります。

マンションの場合、敷地が広いので、土地の地番がひとつとは限りません。さらに、マンションには、電気室やポンプ室、集会室など、別棟の建物があるときがあります。こういう土地や付属の建物は、共有持分として登記されています。

敷地権付きでないマンションを買うとき、相続するときは、これらの土地や付属建物の共有持分を見落とさないように注意する必要があります。
普通、見落とさないためには、市区町村役場で、マンション所有者の固定資産税の納税通知書(の課税明細書)や名寄帳(なよせちょう)を取得すれば、ほぼ間違いがないと思います。
ただし、完全とはいえない場合があります。それは、マンションの土地のうち、特に「私道」があるような場合です。「私道」であっても、固定資産課税上、非課税の場合があるからです。固定資産課税上、非課税の場合、納税通知書(の課税明細書)や名寄帳には記載されないからです。

固定資産税納税通知書には、固定資産税と都市計画税が記載されていますが、その中の「課税明細書」のは、これらの税金の根拠となる不動産(マンション)所在、建物の名称(建物番号)、家屋番号、種類、構造、床面積とその評価価格や課税価格も記載されています。
名寄帳には、ある人が、市区町村内に所有するすべての不動産が記載されています。

マンションを購入後、後から取得した土地や付属建物の権利があるとき

敷地権付きでないマンションや後から土地・付属建物の一部が追加されたマンションを購入するとき、たまに、困ってしまう場合があります。
普通の不動産取引では、あまりありませんが、裁判所の競売物件を購入する場合は、たまにあります。

これは、裁判所の競売物件の場合、裁判所の処理できる不動産が、抵当権などの担保物権が付いている不動産に限定されるからです。
敷地権付きでないマンションで、銀行などが担保を取り忘れていた場合、建てられた後に、土地や付属の建物が追加された場合など、抵当権が付いていない不動産については、競売物件の対象とはなりません。
このため、競売で、このようなマンションを落札したとしても、マンションに関するすべての権利を取得したことにはならないからです。

この場合は、前の所有者と交渉して、権利を取得する必要があります。
そうしないと、今度、自分が売却するときには、不完全な権利のマンションとして、売れない、ということになります。

こういうマンションを相続した場合も同様です。

結論的には、土地でもマンションでも同じですが、自分が相続した不動産が、売買などの取引をする場合に、完全な取引の対象となる不動産なのか、を確認する必要があります。

相続した場合は特に、その不動産を取得した経緯や事情を知らないために、完全な取引の対象となる不動産なのか、不明の場合やこれを確認する必要がないと思っている場合が多いからです。

権利証で確認する。

マンションを特定する方法は、まず、被相続人が持っていた権利証(登記済権利証(とうきずみけんりしょう)または登記識別情報通知)を取り出して、マンションの「所在」や「家屋番号」、「土地の地番」などを確認します。
権利証には、それが発行された年によって「登記済権利証」の場合もあれば「登記識別情報通知」の場合もあります。
登記所によって異なりますが、おおよそ2006年以前に発行された権利証は、「登記済権利証」で、それ以降に発行された権利証は、「登記識別情報通知」です。

「登記済権利証」には、マンションの「所在」や「家屋番号」、土地の「所在」や「地番」、「所有者」の住所・氏名が記載されていますので、まずは、これで一応特定できることになります。
ただし、権利証だけでは、現在、マンションの所有者が誰なのかを確定することができません。
なぜなら、権利証があったとしても、現在、その権利証が有効なものかどうか分からないからです。権利証に記載されたマンションがすでに他人名義となっている場合があるからです。
いずれにしましても、次の固定資産税納税通知書や名寄帳を取得し、「登記事項証明書」を取得して、所有者である登記名義人を確認します。

権利証(登記済権利証または登記識別情報通知)は、相続登記(不動産名義変更)で登記所に提出する必須書類ではありませんが、不動産を特定する、マンションを特定する、という意味で、ないよりはあった方がよい書類です。

固定資産税納税通知書で調べる。

登記名義人のマンションは、固定資産税納税通知書でも確認することができます。固定資産税納税通知書には、固定資産税と都市計画税が記載されていますが、納税通知書の「課税明細書」には、これらの税金の根拠となるマンションの所在、家屋番号、土地の地番、地目、地積(土地の面積)とその評価価格や課税標準額も記載されています。これで一応特定できることになります。
ただし、課税されていない土地は固定資産税納税通知書に記載されません。例えば、固定資産税が非課税の「私道」です。この私道は、登記上の「地目」として「公衆用道路」であったりほかの地目である場合があります。
なお、相続登記の場合に「登録免許税」を登記所に納めますが、この登録免許税を計算する基準となる価格は、「評価価格」です。役所によっては、「価格」または「評価価格」と記載されています。一番高い金額が「評価価格」で登録免許税を計算する基準価格となります。固定資産税上の「課税標準額」ではありません。
相続登記の場合、登記所に提出する「評価証明情報」として固定資産税納税通知書(場合によって)を提出することもできます。

名寄帳で調べる。

同一市区町村内に多数、不動産を所有している場合は、「名寄帳」でも確認することができます。名寄帳は、ある人の同一市区町村内に所有する不動産がすべて記載されています。これで一応特定できることになります。
ただし、課税されていない土地は名寄帳に記載されません。例えば、固定資産税が非課税の「私道」です。この私道は、登記上の「地目」として「公衆用道路」であったりほかの地目である場合があります。
相続登記の場合、登記所に提出する「評価証明情報」として名寄帳を提出することもできます。

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