横浜市西区の相続登記(相談)

横浜市西区の相続登記(相談):遺言書に条件が付加されていた時の相続登記の方法

公正証書遺言書は、公証役場で作成します。

【事例】
被相続人(遺言者)は、公正証書遺言書を遺しており、遺言書には、次の内容が記載されていました。

【遺言書の内容】
遺言者は、次の条件が成就した場合には、その所有する不動産(横浜市西区)を相続人Bに相続させる。
(条件の表示)
1 条件を付加することにした事情
2 条件の内容
 遺言者の相続開始後〇か月以内に、相続人Aにおいて、相続人Bの○○を確認できたこと

(条件が成就しないとき)
遺言者は、上記の条件が成就しなかったときは、相続人Aに対し、上記の不動産を相続させる。

(遺言執行者について)
 遺言者は、遺言執行者を相続人Aと指定し、同人に、遺言の執行のために一切の権限を付与する。

相続登記をするうえで考慮すべき遺言書の問題点

遺言者には、横浜市西区の不動産が2か所あり、その1か所を相続人Aに相続させ、もう一か所を相続人Bに相続させたいと考えていました。

Bに相続させる条件は、BにとってもAにとっても、客観的な条件の他に多分に主観的な要素を含んだ条件であるため、条件の成就、不成就をどのような方法で明らかにしたらよいかが、相続登記が完了できるどうかの鍵となります。

また、Bの、条件の成就を記載した書面、もしくは、条件の不成就を記載した書面(実印を押印して印鑑証明書付き)でもよいのではないかと思われますが、その内容によっては、Bが遺産分割としての相続とみなされるリスクを感じるのではないかと、考えました。
そこで、ここは、あくまでも遺言書の「相続人Aにおいて、相続人Bの○○を確認できたこと」の記載から、遺言執行者でもあるAの主導で、その方法を考えることとしました。

条件の成就、不成就の確認方法

そこで、次の方法をとることにします。

相続人Bに対する聞き取り調査

遺言執行者としてAがBに面談して聞き取り調査をします。
Aが聞き取った内容を書面(法務局に対する上申書)にするだけでは、条件の成就、不成就の信憑性に欠けることから、次の方法をとることにします。

内容証明郵便で条件成就・不成就を確認

内容証明郵便で、AがBに対して、条件が成就できたかどうかを確認する書面を通知します。
この通知書には、遺言書に記載の「遺言者の相続開始後〇か月以内に」という期限が設定されていることもあり、BがAに回答する期限を設定します。

そして、回答の期限内に、Bが条件を成就したことの回答書をAに通知した時は、Bが横浜市西区の不動産の1か所の相続登記をAが行うこと、もし、回答の期限内にBの回答がなかった場合には、Bが相続取得すべき横浜市西区の不動産をAが相続取得することになる旨の内容を記載します。

相続登記の方法

Bが回答の期限内に回答書をAに通知しなかったため、遺言執行者のAは、遺言書の条件が成就しなかったという結果を受けて、Bが相続取得すべき横浜市西区の不動産をAが相続取得することとしました。

被相続人が親で、相続人が子であるので、法務局には、次の書類を提出(申請書に添付)しました。
遺言書での相続登記の基本は、こちらを参考にしてください。

申請人:相続人A

  • 公正証書遺言書
  • 被相続人(遺言者)の除籍謄本と住民票除票(本籍地記載)
     → 遺言者の死亡したこと、最後の住所を証明
  • 相続人Aの戸籍謄本と住民票
     → 相続人であること、登記名義人となるため住所を証明
  • Bに対する遺言執行者としてのAの内容証明郵便
  • 相続人Aの上申書(Aの実印を押印)
     → Bと面談した結果と回答の期限内に回答がなかったことを記載
  • 相続人Aの印鑑証明書(上申書に添付)
  • 固定資産税納税通知書(課税明細書)
     → 登録免許税を計算

その他、相続登記に基本的に必要な書類は、相続登記の必要書類を参考にしてください。

遺留分の問題

遺言者が遺した遺言書に基づいて、相続人Bが取得すべき不動産について、Bの条件が成就しなかったため、結果として、すべての遺産を相続人Aが取得することになりました。
この場合、結果として、法律上は、Bの遺留分をAが侵害することになりますが、Aは遺言書に基づいて、横浜市西区の不動産の相続登記のほかに、すべての遺産の相続手続を行うことができます。
遺留分に反する遺言書に基づいて遺言を執行(相続における遺留分と遺言の関係を参考にしてください。

この場合、相続人Bが子であるので、Bは遺留分を侵害されたことになります。
このような場合、BはAに対して、侵害された遺留分の侵害額を請求することができます。

相続登記は、完了しましたが、その後、BがAに対して遺留分侵害額を請求したかどうかは分かりません。
遺留分侵害額請求権は、侵害された遺留分権利者BがAに対して請求しない限り、Bは侵害された遺留分に相当する金銭を受け取ることができません。
なお、Bは遺言者の死亡を知ったときから1年以内に遺留分侵害額の請求をしなければ、その権利は時効で消滅します。
遺留分侵害額請求をするかしないかは、Bの自由です。

相続登記にかかった費用

相続登記費用
司法書士報酬:約70,000円(内容証明郵便を作成:約10,000円を含む)
登録免許税・証明書:約100,000円
合計:約170,000円

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