相続登記情報館トップ相続事例集生命保険金で相続債務の返済

生命保険金で相続債務の返済

生命保険金で被相続人に属していた相続債務の返済方法について、説明いたします。

これは、相続債務のうち、比較的高額の債務の返済を相続人が行う場合です。

相続債務が住宅ローンの場合

住宅ローンの相続債務の場合は、団体生命保険金などで返済することになります。
住宅ローンの場合であっても、団体生命保険料を支払っていなかった場合には、債務を引き継ぎ、債務を相続人が返済しなければなりません。

相続債務が銀行など金融機関からの借入金の場合

銀行など金融機関からの借入金の場合は、通常、その借入額が高額で、一括返済ではなく、分割返済であることが多いため、単に、遺産分割協議書で相続人のうちのだれが、債務の全部を引き継ぐかを決めたとしても、それで効力が生じるわけではありません。
銀行など金融機関からの借入金全額を相続人のうちの一人が引き継ぐには、債権者である銀行の同意、承諾が必要となります。

このように、被相続人の債務が高額で、銀行など金融機関からの借入れの場合、遺産分割協議書を作成する前に、相続人のうちのだれが債務を相続するかについて、銀行と打合せ、銀行の同意を得ておく必要があります。

銀行の了解を得たうえで、遺産分割協議書を作成します。

銀行など金融機関の借入金債務の基本的な相続手続

上記のように被相続人の銀行からの借入金債務がある場合の手続は、次の手順で行います。

  1. 相続人の間で、だれが債務を引き継ぐかをあらかじめ話し合います。
  2. 銀行と債務の引き継ぎについて、交渉し、同意を得ておきます。
  3. 遺産分割協議書の作成
  4. 遺産分割協議書に法定相続人が署名・実印を押印します。
  5. 銀行と債務の引き継ぎについての変更契約(債務引受契約)を締結します。
  6. 各種の相続手続をします。
  7. 不動産について相続登記をします。
  8. 抵当権など債務者の変更登記をします。
    これは、銀行からの借入金の担保として相続した不動産に、抵当権など担保権の登記がされている場合です。

生命保険金で、銀行など金融機関からの借入金相続債務の返済

生命保険金で、相続債務を返済する場合、銀行など金融機関の同意(債務引受契約)を得たうえで相続債務全部を引き継ぐ相続人と生命保険金の受取人(生命保険契約上の受取人)が同一の場合は、特に税法上問題ありません。

ですが、銀行など金融機関の同意を得る得ないにかかわらず、相続債務全部を引き継ぐ相続人と生命保険金の受取人(生命保険契約上の受取人)が異なる場合は、注意する必要があります。

例えば、相続債務全部を引き継ぐ相続人が相続人Aさんで、生命保険金の受取人(生命保険契約上の受取人)が相続人Bさんの場合、Bさんの受取る生命保険金で、相続人Aさんの相続債務を金融機関に返済すると税法上、相続人Aさんには贈与税がかかる可能性があります。

また、例えば、当初の債務者が被相続人と、連帯債務者の相続人Aさんの場合、相続債務全部を引き継ぐ相続人を相続人Bさんとし、生命保険金の受取人(生命保険契約上の受取人)が相続人Bさんの場合、Bさんの受取る生命保険金で、相続債務を金融機関に返済すると連帯債務者の相続人Aさんには、税法上、贈与税がかかる場合があります。

この場合、相続債務全部を引き継ぐ相続人を相続人Bさんとするには、必ず事前に金融機関の同意(債務引受契約)を得ておく必要があります。
金融機関の同意(債務引受契約)を得ないで、結果として、相続債務全部を引き継ぐ相続人を相続人Bさんとすることができないまま、Bさんの受取る生命保険金で返済した場合、連帯債務者の相続人Aさんには贈与税がかかる可能性があります。